「昏い」を含む小説

入道雲が青いそらに湧き上がる。蝉の声、 カンナの花、白壁の竹林の中、忽然と姿を 現した昏い屋敷には『忌中』の文字が。 あの奇妙な体験は何だったのか。 【櫻岾】『法照寺…

悲しむ人は幸いである。その人は慰められる。

気が付くとわたしは、真夏の真昼の辻の廃屋前に立っていた。 自分が何で、ここはどこかはわからないが、わたしは北へ進むべきだと知っていた。 北は昏いがしかたない。わたしは北へ向かって…

「暗い世界のなかの百合は、輝いて見える」をモットーに、ダークなストーリーの百合短編を模索していきます。食べ物がモチーフとなっていて、全ての短編の題名には食べ物が含まれます。短編集…

堕天使を処理するおばあちゃんの真意とは この短編小説は、僕が書いているダーク百合短編集『夕喰に昏い百合を添えて』でも公開しています。この短編が気に入った人は是非、↓から他の短編…

この大陸には、魔導師の中でも優れた者に贈られる、〝賢者〟の称号を冠する者が七人いる。 自宅の一階で自作の魔導具を売る雑貨屋を営んでいる魔術師アリア・ペトーレは、そのうちの一人であ…

物語の舞台は、技術の発達によって意志が強くなければ死を選ぶことすら難しくなった雲の上の未来世界。自死しかけたところをクリスに助けられたリノは、喉に大きな傷を残し脳細胞の過半数を失…

海の上で聴こえないメロディーを探していた男の話です。 この作品は以下の自主企画に参加しています。 【第59回「2000文字以内でお題に挑戦！」企画】 https://kakuy…

（春子......ようやく君に会えた） 大正時代、学者の後妻となった春子は、継子の事故死と祖母の他界に苦しむ。 ある夏の夜、川辺で出会った不思議な少年「蛍太郎」。その瞳に宿る昏い…

あたしは日鞠の親友で。これ以上何も望むことはないはずのに。──それなら、この昏い敗北感は、花嫁姿の日鞠を見たときの胸の高鳴りは、いったい何なの。そうやって答えを出せずにいるうちに…

「余、勇者ちゃん……好き、かも……」 　子供っぽくて少し頼りない色ボケ魔王ナナ様と、 　心に昏い影が差した勇者のたまごの少女リリィ。 　どうして自分は魔王で、あの子は勇者なの…

いつからか、海の方から唄声がする。 哀しい子守唄のようなその歌は、嘗て海で 死んだ者の嘆きだろうか…将又、海の 魔物の誘いだろうか。 例の【猫魔岬】であったこと。 《…

岬の突端には古い神社があった。 新月の闇の中、篝火が赧々と千本鳥居の 合間を縫って神社へと続く。陌間の警告。 昏い海の向こうから呼ぶ、それは一体 何なのか？彼岸より出て此岸を訪う…

『爪先からはじまる熱と恋』 〜イケメンを拾ったら囲われました〜 命と愛の脈動を抱えて走り抜ける。 主人公の生きる奇跡を描いた物語。 主人公　 緑川　蒼（みどりかわあおい）　…

「さて、何が聞きたい？」 昏い取調べ室に一人の青年が居た。彼は嘗て15人の人の命を奪った大量殺人鬼。そんな彼が一人だけたった一人命を奪わ無かった少女が居た……。彼は何故少女を殺…

仮想通貨を産出するためだけの船が、サメに襲われた。命より大事な仮想通貨を守るべく、戦いが巻き起こる この短編小説は、僕が書いているダーク百合短編集『夕喰に昏い百合を添えて』でも…

「この世界に居座る地球人、通称勇者を全て殺せ。それを果たした暁には願いをなんでも一つ叶えよう」 『観衆』と自称する何かに異世界へ転移されられたのは、現代日本で6件の完全犯罪を成し…

昏い山の端が逼る『お祖母様の家』を訪ったのは、 母の通夜の事でした。 鯨幕、櫻岾、邪悪な環状世界を巡る、謎と呪の原点が ここに…。 …斃れそうになり、何故か自分の首を…

　伊坂佑月（いさかゆづき）は、人の心が分からない。幸せを幸福だと思えず、不運を不幸だと嘆けない。それが自分なのだと、分かっていた。そんなある日、自分と瓜二つの昏い眼をした少女に出…

人を殺すための建物を作る闇建築家の主人公は、暴力が得意な相棒とともに裏社会で活躍していた。ある日の依頼でコーヒーを飲みながら商談していた時、相棒との日常を破壊する事件が起こる。 …