「百合 夏」を含む小説

別にヤニで食らってボサッとしているわけじゃない。夏を前にした大学三年生の鈴野灯子は遠くにそびえる山々をぼんやりと眺める。中途半端に何もないこの街にいることを選んだのは自分なのに、…

「ミルクティーが甘くなるように水飴を溶かすから。」 4つの物語を順番に読んでいけば、この言葉の意味が分かるはず。 ミルクティー、ラムネ、砂糖水、水飴の4つの「甘さ」とそれに伴…

ある夏の夜、私は友人と花火大会に行く。 ※カクヨム公式自主企画「百合小説」参加作品です。

午前1時。学校に行けなくなった女子高生、千代がそっと部屋の扉を開く。待っていた黒縁メガネのお姉さん、夜海といっしょに、深夜の横浜をお散歩する。夏の雨が降るなか、石川町から元町、中…

公式自主企画「百合小説」参加短編その６。 リハビリのつもりでサクッと執筆。これまで自分であまり書いたことのない展開にできた気がします。

二人がまだ小学五年生だった夏。 葛城　空子《かつらぎ　くうこ》からお古のテニスラケットを譲り受けた岡島　真幸《おかじま　まゆき》は、どうしようもない世界に抗い始める。 親、教師、…

夏休み前、高校生の髄花（ずいか）は隣町の廃墟病院に頭蓋骨の山がある、という噂話を聞いた。 三年前の夏にも「とある事」で訪れた廃墟病院。再び、彼女はその場所へ向かう事を決意する。 …

ある夏の日、ある女子高生が生まれ変わりました。 まっこと愛らしく、げに美しい、神聖なる可憐な乙女に生まれ変わりました。 此れより始まります。 彼女の、実に愉快な快活たる人生が、た…

不真面目な私とクソ真面目な彼女の話

大学生の美月は、ある日の講義で男にトラウマを持つ静と仲良くなる。 二人で夏祭りに行った日、花火が打ち上がるなか美月は呟いた。 参加：カクヨム公式自主企画「百合小説」

高校の女子野球部に入部した市麗（いちれ）レウは、中学時代に男子の中で大活躍してきた陽陰（ひかげ）メメンと出会い、バッテリーを組むことになった。夏の大会のレギュラーを目指し頑張る二…

優奈は『白石女子学園 中学・高等学校』に通う普通の高校生。同級生の夏美とは親友であり、密かに想いを寄せる相手でもある。 とある夏の日、いつものように夏美と一緒に下校していると、一…

太平洋戦争後、二つの大国によって南北に分断された日本。 南北の境界線となっている、鉄条網の近く、「南側」に暮らす幼い日の「私」は、壁の向こうの「北側」の村に住む、同い年の少女と出…

このあらすじはネタバレを含みます。本編読了後に見ることを推奨します。 　夏へと切り替わろうとする、雨の季節。残業帰り、雨の降る無人駅で終電を待つ私は、自らを雨女と名乗る不思議…

＊ストーリーの結末まで書いています。ネタバレを避けたい方は読まないでください＊ 大学一年生の志乃は、高校時代、同じ女子校に通っていた朝香に合コンに誘われる。志乃と朝香は親友同然…

　いつもの日常。退屈な毎日。そこに貴女は私の前に現れた。そう、あの『究極で完璧な柔らかクリームパン』と共に。 　でも私達は未完成で不完全。 　そんな二人が一緒に居ても凸凹。 …

セツナは十七歳に死ぬの八月二十三日に寿命が尽きて死ぬ。 AIによる寿命測定システムにより、残りの人生が分かるようになった日本。平均寿命が９０歳を超えて１８歳未満で死ぬ子供がごく…

【花緑青事件から二十年。麗しき殺人犯のいま 　一九××年八月十三日。夏祭りの夜に双子の姉が妹にヒ素を飲ませ殺害した後、自身も服毒。妹は死亡。姉は一命を取り留めた。 　この事件は当…

　かつて「サイコバニー」と呼ばれていた同級生がいた。彼女が再び戻ってきた夏は、私にとってかけがえのないものになる。多分。