概要
貴女に触れられるのは、いつも、鉄条網越しだった。
太平洋戦争後、二つの大国によって南北に分断された日本。
南北の境界線となっている、鉄条網の近く、「南側」に暮らす幼い日の「私」は、壁の向こうの「北側」の村に住む、同い年の少女と出会った。国の政治体制も何も関係なく、鉄条網のその隙間越しに、私達は感情を渡し合っていた。しかし、とある夏の日に、「北側」に暮らす彼女は、「もう会いに来る事は出来なくなった」と、別れを告げに来る。
月日は流れ、南北の軍事的な緊張は一気に高まり、遂に戦争に発展する。その戦場で私は、彼女と再会する…。
南北の境界線となっている、鉄条網の近く、「南側」に暮らす幼い日の「私」は、壁の向こうの「北側」の村に住む、同い年の少女と出会った。国の政治体制も何も関係なく、鉄条網のその隙間越しに、私達は感情を渡し合っていた。しかし、とある夏の日に、「北側」に暮らす彼女は、「もう会いに来る事は出来なくなった」と、別れを告げに来る。
月日は流れ、南北の軍事的な緊張は一気に高まり、遂に戦争に発展する。その戦場で私は、彼女と再会する…。