このレビューは小説のネタバレを含みます。全文を読む(183文字)
本作は今のようにスマホで簡単に連絡がとれるような時代ではなく、連絡手段が限られていたのどかな昭和町が舞台。彼女たちは文通をしていたけれど、手紙に書かれないことまでは伝わらない。莉子がなぜバスに乗ったのか、どんな気持ちでいたのか……。一華は思いもよらないところから莉子の心の中を知ることになる。目の前に広がるノスタルジックな情景描写にすさんだ心が癒されるような感覚になりました。その綺麗な情景と共に描かれる切ない彼女たちの心は……ぜひご一読ください。