「息」を含む小説

気づいたら目の前には青空しかなかった。 薄っぺらいカバンと進路希望表はどこかに消えて 制服のまま、私は空に落ちていた。 目覚めた世界は、夢？　　　　　　　違う。ここは、多分現…

「今日も死神急行ゆめざる号にご乗車いただき、ありがとうございま～す♪」　 とある女性の悪夢に現れた謎の急行列車「ゆめざる」号。駅に停車する度に様々な形で息絶える乗客は、現実世界で…

決められた運命はぶち壊せ！ 息もつかせぬSF青春ストーリー 「どうして俺が殺人鬼なんだよ!?」 感染した人間は必ず、“自分の未来”を3分だけ体験する奇病にかかった少年レオは、人…

地方の大学に進学した僕は、年上の女の先輩に出会った。 彼女が口にする言の葉は、その薄くつややかな唇とひと続きのように、美しい。 季節は秋。残暑が息を引き取って、木の葉が寂しく鳴…

ある夜、何もない平原で、独りの少女は息を引き取りかけていた。 絶望と虚無の人生を歩み続けたその少女は、美しい女神に出会う。 女神は言う。 ――あなたの人生に意味を与えましょ…

ドキドキ、ワクワク。心が躍る冒険の日々。 1つの世界から、裏世界へ。人の世界から、神様の世界へ。 神様は好き？妖精は好き？カッコいい魔法は好き？息を飲む程の大自然は好き？ 私た…

現代詩を槍にした。それだけでは敵わないから、槍を磨いたが磨き方がわからなかった。でも、わかったから。槍を粉々にして粉達を撒いて武器にしよう。小さいものが見えてくるはず。

　黒龍世紀元年。かつて世界を支配したブラックドラゴンは、２人の勇敢なる戦士、『クルーセス』『オーベン』により退治され、世界は平和を取り戻したかのように見えた。だが、共に戦った２人…

帝を戴く二〇〇〇年以上の歴史を誇る帝国。 北緯五〇度を最前線とする「北方戦役」は膠着状態に陥っていた。 陸軍第55派遣隊北洋州分遣隊に所属する入地准尉は、決して踊りの輪に加わ…

何百年も昔、その身体が壮健にもかかわらず武神と呼ばれた者がいた。武神は戦の終わりまで見届けると同時に静かに息をすることを辞めた。 それから約五百年がたった今、彼は本当の意味の武神…

「助けないと……」 知らず知らずにつぶやいている。 階段を駆け上がりながら、吐く息の隙間に詰め込むように。 あの子のことはよく知らない。休み時間、物静かに本を読んでいるというだ…

地球規模で世界を変えたある事件をきっかけに、不死者となったナルカミ。 人類を救ったのは、彼の所属していた裏社会の組織だった。 事態の収束と共に、ナルカミをはじめとした幹部達は姿を…

　彼は、そっと白い布に手を掛ける。 　それは彼女の濡れたふたつの穴を覆っている、たった一枚のものだ。恥ずかしい、と彼女が鼻にかかった声で囁く。大丈夫だよ、と彼は応えて同じく囁き、…

才能の無さを努力で補いきれずに夢破れた青年。 彼の背中に憧れるあまり、自分を壊してしまう少女。 出会ったその時には終わっていた二人。 しかし消しきれない思いに、死んだはずの夢が息…

もう、戻ることは出来ない。 どんな結末が待っていようと、彼らは引鉄から指を外すことなど許されない。 防衛を主とする警察や自衛隊とは違い、法務省直下にて暗躍を行う特務機関。 製薬…

無数の世界≪マルチユニヴァース≫の中の１つである、≪ユグドラシル≫。 実はこの世界は１度、闇によって滅びていた。 そこから再び復活させたのが、原初と管理の神オリジン。 それから…

トップアイドルとして活動している彩奈の姉は数年間ずっと引きこもりだった。父が自分達を捨てて姿を消したショックで立ち直れなくなったのだ。そしてその奈美子が自殺した。死因は息を止め続…

誰もが知っている物語を、視点を変えて描きます。 そのツタの前には、幾千、幾万の時がありました。 創作を通じて人は、自身の生の意味を見出すことができるのか。 大人になって読むと、こ…

登場人物 ①　…　“人物” ②　…　黒い頭巾を被った演者 ③　…　“外套の男” “狐の襟巻きの女” “長靴の子供” “囲炉裏の老爺” ④　…　“黒い頭巾の男” ⑤　…　“女” ⑥…

未来をつかむために旅立った私。 向かった先はイタリアのミラノ。 しばらくは息つく暇もない生活が続く。 休日らしい休日などなかった。 半年後、初めての休みをとって近くの街ヴェロー…