「短編 幻想」を含む小説

『アルカロイドは理想世界の幻想を見せるか』シリーズの短編集になります。 ※２巻以降の内容も含まれますのでご注意ください

　匂いが、触れる感覚が、音が、そして光が——。 　すべての感覚が、少しずつ失われていく。 　それは怖いことのはずなのに、どうして私は安らぎを覚えるのだろう？ 　白百合と黒薔薇が佇…

夢の中で、この手で水に沈めた美貌の少年が、今、私の目の前に。いる。

屍体が出るたびに桜は狂い咲き 周辺では頭のない化けものがさ迷う 彼女たちを殺したのは誰なのか その真相を探るため 私は山中へと足を踏み入れた 掲載サイト： 小説家になろう NO…

藤の花が咲き誇るその家では 盲目の老人がひとり いるはずのない何かと暮らしていた 行方知れずの妻はどこへ行ったのか 死期を悟った老人は静かに語り出す 掲載サイト： 小説家になろ…

О市のある公民館に貼られた混線現象についての貼り紙。混線現象とはどんなものだったのか、体験記録。

息子・青磁が死んでから三回目の夏がきた。「私が青磁を殺したのではないか」妄執にとらわれていた陶子のもとに一本の電話がかかかってくる。それは青磁の中学の同級生を名乗る女、アイカワ…

現実では誰にも必要とされず、無力さを抱えた男が、VRゲーム「オムニクレスト」の中で「皇帝冠」を手に入れる。それは彼を絶対的な支配者へと変える力だった。 称えられる日々、膝をつく…

【カクヨムコン10参加（中間選考通過）】 滅びゆくシュメールの王都。少年が奏でるハープと巫女の神託が、運命の闇に神々の叡智『メ』を呼び覚ます…… 月光が照らし出すのは救済か、それ…

修羅場にして、ほかない。

「色即是空、空即是色――」 　古刹・昂源院に棲む一匹の黒猫がいる。 　開山以来五百年、代々の僧侶たちの生死を見守り続けてきた不思議な存在。 　人の言葉を理解し、死の予兆を見通す…

睡眠アプリ『sleep』の登場によって、誰しもが快適な睡眠を得られるようになった時代。 にもかかわらず、大学三年生の恵人は、重度の不眠症に悩まされていた。 そんなある日、恵人は友…

渋谷の街で、自殺者が急増しているらしい── そんなニュースが世間を騒がせているある日、渋谷の雑居ビルで探偵事務所を構える中年・仁科哲雄は、娘が自殺した理由を探ってほしいという依頼…

出されたお題に思考を遊ばせ、物語ごとに文体を変える。 現実と空想のあわいを泳ぐスペキュレイティブ・フィクション的世界。 脱げた黒猫の靴下との生活『猫嫌いの英靖』、記憶を薬に加工す…

　闇に浮かぶ一輪の月。 　その光に照らされて、一羽の蝶が舞う。 　天保十四年、江戸の街に術士狩りの噂が流れ始めた。 　幕府の密命を受けた百骸機関が、術士たちを次々と捕らえていく…

　大正十二年、時計職人の娘・綾月時子の前に現れた一つの謎。父の遺した不思議な懐中時計と、殺人現場に残される美しい蝶の標本。 　時を永遠に留めようとする者と、時を解き放とうとする者…

悲しみに気持ちが沈むとき、その少女は現れる。 無垢な瞳で問いかけるのは悲しみを取り除く選択と対価。 人は対価とともに心を縛る悲しみからの解放を得る。 少女は今日も悲しみに涙する人…

　2075年、量子コンピュータ研究の最前線。 　人工意識の生成実験中、姫路凪は思いもよらない存在と出会う。 　7年前に事故で失った妹、澪の意識が量子の檻の中で目覚めたのだ。 　そ…

伝承、民話、寓話、言い伝え…世界には不思議な物語が満ち溢れている。幻想か妄想か、それを科学で紐解いたとき、背後に存在する自然の神秘と人との奇妙な関わりを知るだろう。