混線現象なる奇妙な出来事が、街に巻き起こす様々なトラブルを描く「少し不思議」という意味でのSF短編。この話の素敵な所は、単に「不思議やなぁ、なんでやろうなぁ」で終わらず、トラブルを通じてしっかりとテーマを描いていること。それを作者の言葉で一方的に説明してしまわず、読者の想像にゆだねている所でしょう。それが逆に印象深いオチと独自の読後感を生み出しています。いいんだよ、別に。だってさぁ……。作者さまは、最後の一文の後に何を言いたかったのか?それは是非、読んで確かめて下さいね。考えさせられる作品をお探しの貴方へ、おススメです!
華やかだったり起伏に富んだストーリー展開などはないですが、落ち着いた雰囲気が逆に「日常」に少し「ズレ」ができた独特の世界観を引き立ててくれます。これはこの作者様にしか書けない物語ですね。刺さる人には刺さる。少なくとも私は好きです。ちょっと変わった物語をお求めの方におススメです。
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