その二

 一抹の不安から一応は市役所に連絡しました。市役所からは一通の手紙が送られてきました。それは分かりやすく混線現象を説明したものでした。

 その説明によると、混線現象は親しい人同士には起こらない、少なくとも今まで報告されていないとのことでした。私は一人暮らしなのですが、家族仲はまあまあ良い方で、こまめに連絡はとりあっていたので家族から美絽に間違われることは実際にもありませんでした。

 市役所からの手紙に書かれていたアドバイスでは他に、きちんと説明すれば混線に基づく誤解はあっさり解ける場合が殆どとありました。私の対応は正しかったようです。もし、問題が長引きそうな場合はその時に再び市役所に連絡してほしいとのことです。私の身には喫茶店での一件以外、特に何も起こらなかったので連絡はしませんでした。

 他に変わったことといえば、第三者の混線を目撃したくらいです。偶然にも、この時もモデルの美絽と混線していました。


 私の職業は調理師で、レストランの厨房で働いているのですが、そこである高校の同窓会が開かれていた時のことです。

 次に改めてその時の目撃談を書きます。

 

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る