概要
あれは、誰が殺したのだろうか? ああ、そうか。《僕》だ。
息子・青磁が死んでから三回目の夏がきた。「私が青磁を殺したのではないか」妄執にとらわれていた陶子のもとに一本の電話がかかかってくる。それは青磁の中学の同級生を名乗る女、アイカワハルカだった。「線香をあげさせてほしい」という申し出を受け入れたが、青磁の同級生にはアイカワハルカという名前はなかった。けれどもアイカワは陶子の前で、どこか青磁ににている所作で、青磁らしい話をする。真意を問うと、アイカワは目を伏せた。
「せいくんが、死んだのはあたしのせいかもしれないから」
/あたしは魔女にはなれない
《ぼく》は小学三年生のころ、クラスでメダカを飼っていた。仕事をしない生き物係にかわって、《ぼく》はそのメダカをかわいがっていたが、ある日二匹を残して死んでしまった。生き物係に引き取られることにな
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