「地」を含む小説

黄文造本実《きぶみのみやつこほんじつ》。 高句麗人の末裔で、画工である彼は、嘗て父が造った漏剋《ろうこく》の修繕を大王から依頼される。 父と故郷を失い失意の底に沈む本実は、設計図…

鯨幕の張られた廃屋敷、踏切に佇む首のない女、切通しを憑いてくる何か…異動先は、世にも奇怪な土地だった。ここで結果を出さなきゃ戻れない。『鯨幕の家』に連なる怪談。 【…

このお話がミステリーかどうか迷いましたが、敢えて「ミステリー」にしました。田舎町に静養に来ていたいちかは、その街の奥の森に、療養所があるのを知っていた。そこがどういうところで、今…

　古き野に住まう放埒（ほうらつ）の奉神（まつりがみ）が一柱、宵闇に仕える聖女は、黒く焼けた枯土（こど）の地に立つ塔を、神域（じんいき）としている。その在りようを善しとはせず、決戦…

サリョ大陸の南の地、アウタクル王国という国に代々王族に仕える「月詠み師」と呼ばれる一族がいた。 彼らは月の光や満ち欠け、月の音色を聴き、これから起こりうる“未来を詠む”特殊な才を…

「太陽に手をかざして　わたしはできた」 　夜ごとなぜだか近づいて来るその影。眠れない夜。赤い月。僕は夢を見る。 　ここは外界ーー竜の泣き巣、阻む地。 　亡霊と悪夢に苛まれなが…

地下アイドルと旅行へ来た西田。 地下ドルファンと自分を天秤にかけながら、旅行を楽しむ。だが、地下ドルファンにも自分が天秤に掛けられているのを知り、嫉妬に堕ちていく自分と売れていく…

阪神大震災による経済の落ち込みが被災地以外の場所にも飛び火していた。人心の荒廃、そこから這い上がろうとする下町の人達。０５４６～阪神大震災が俺の古市で買った三冊百円の安ラノベを吹…

かつて女神の降臨した伝承がありながら、今は「悪魔」の出没する異端の地となっている西の海の果ての島。 「悪魔」の痕跡を視る力を持つために異端審問官の手伝いをしていた養護院育ちの少年…

　創世歴2024年、この世界は魔法が存在する。獣人種、人魚種、妖精種、そして人間種が共存する世界。科学と魔法が共に歩む世界。 　しかし、魔法でも科学でも証明できない摩訶不思議な事…

　最果ての地と呼ばれる場所にある地下迷宮に、ひとりの男が訪れる。全身に傷を負っていた魔物の男は介抱され、ゾンビの少女と出会う。男は自らをルシファーと名乗り、少女はアリスと名乗った…

人口の九割を奴婢が占めるという地海国で最低位の奴婢としてただ働く日々を送っていた俊野。彼にはある野望があった。 とある山の麓で夜を明かさなければならなくなった日の夜。俊野は暗闇の…

動植物たちの力を持つ人々が暮らす、こことは異なる世界──＜トーソンリー＞ けして混じり合うことのないもの達が長く争い続けるこの地で、赤の髪と鱗を持つ少女スーラは、人狩りに捕らわ…

狼の話をしよう。昔々のオオカミさ。 いまよりもっとおっきくて、言葉もしゃべれて賢い、立派な狼たちの話。 その昔、狼は誰よりも早く走った。 人間がまだ鉄を知らないまえから、彼らは野…

異世界。 様々な世界で命を終えた者は、ごく稀に転生者として新たな使命を帯び、この世界に降り立つ。 特殊な異能力、神の武具。 それらを手に生まれ直した命は、魔王討伐を掲げこの地を歩…

魔法研究に熱心な賢者ジェレミー・ラーク。 彼はひょんなことから、世界の悪の根源である魔王グラディウスと邂逅してしまう。 ジェレミーは熾烈な戦闘の末に一騎打ちにより死亡したと考え…

　かつて忌むべき邪神の徒としてラシル大陸を追放された種族、魔人。 　二千年の時を経て再び彼の地に舞い戻った魔人は純人に宣戦布告した。 　強力な力を持つ魔人達によって、次々と陥落し…

核戦争で滅んだ世界の、とある都市。人間の認知を狂わせる呪いの雨が降りしきる灰色の地で、僕は盗掘家をして生計を立てていた。ある日、防護服が壊れてピンチに陥った僕を助けてくれた巨大ロ…

※<前作「PNを入力してください。」の続編になるお話ですが読んでいなくてもお楽しみいただけます。 【伏線】が気になるよという方は前作もお読みいただけると嬉しいです。> 「勇者よ…