「忘れる」を含む小説

義母からの電話で駆け付けると、自失茫然となった義父の姿があった。 『まさか、儂の事まで……』と呟く義父。 幾度となく『娘を忘れる』義母を笑っていた義父も、『自分の事を忘れられる』…

“変異体”と呼ばれる化け物が、大量発生した。 その区域に向かって、タクシーは走る。モンゴルを思い起こさせる草原の上を。 後部座席に座っている客は、商人である。 目的は、お得意様…

とある夏休み。村上　祐也のスマホに一通のメールが来る。 　メールの送り主は『小鳥遊　沙季』。 　その名前は、祐也の初恋の女性の名前であり、現在好きな人の名前でもあった。 　それ…

私は君に別れを告げられた。どこかで忘れたいから、1人で紅葉狩りにやって来た。カメラのシャッターを切って、恋にお別れをしていく。次の出会いのために、心の準備をするように。

むかしむかし、あるところにひとりの少女がおりました。 彼女はありとあらゆる大災害に見舞われた世界を救おうと、 自ら生贄となりました。 ですがその行為は『神の怒り』に触れ、少女は罰…

大学二年生の計斗には、赤浦灯絵という高校の頃からの彼女がいる。 計斗の二十歳の誕生日を翌日に控え、二人はささやかな誕生日パーティーの計画を立てていた。 だが、当日彼女は来なかっ…

俺には小説しか残されていない。

同じ美術部の彼女、豊峰は独創的な絵を描いていた。 平凡な風景画を描く僕は彼女の絵を忘れることができない。 どうして僕はこの絵を描き始めたのだろう。 彼女は言う。私は好きな絵を描い…

さてさて、これより語るのは、幼き私が体験した紛うことなき現実の話。 黄昏時の一本道、学校から家まで１キロとない住宅地。そういう“何でもない日常”に、奴らは紛れ込むのでございます…

　大学生の行彦は同い年で別の大学に通う恋人･湊と1LDKの部屋で同棲している。 　だが水曜日、講義で彼女がいないことをいいことに、彼は違う女性を部屋に連れ込んでいた。しかもその…

田舎の夏で無気力な日々を送る俺はある日、散歩の途中で森の奥へと続く小さな道を発見する。そこで俺が見たものとは…… ５分で泣けます　ベタだけど泣けます　……たぶん

お世話をしていた女の子に「結婚したい」と言われ、高校生の町子は「かめはめ波が打てるようになったら結婚してやるよ」と言った。町子の予測では、この子供はすぐに忘れるだろうと思っていた…

喧嘩別れした彼女が、旅立ってしまうまであと5分しかない。　憶えていた贈り物を手に、時間に間に合うことができるのか。　走れ――――

1話で終わる子達 『木漏れ日の椅子』 僕の受けとった写真と、先輩について。 『全能ナイフ』 変なものを押し付けられた少女の話。 『月がまあるく光る夜』 満月の日の話

とある夏の日。私は大切な友人の渚と会うために、彼女のいる遠い田舎まで足を運ぶ。 初めて見る景色と無数の色彩に囲まれて、私はかけがえのない夏を過ごす。 うだるような暑さの中で、彼女…

「わたし神崎ひなた！ピッチピチの美少女JK！（概念！）趣味は小説を書くこと！ カクヨムで楽しく創作ライフを送ってたのに藤原っていうド変態の登場で一体私の高校生活はどうなっちゃうの…

　──奴隷達の心をも鎖で閉ざしてしまう 　少年は、小さな体に大きな罪という名の枷を背負う。この人生という長い時の流れに逆らえず、ただひたすらに流される。逆らったら殺される。…

　 　その一撃は大気を揺らし、その光は絶望に苦しむ人々を優しく包み込んだ。 　こうして人々が笑顔で暮らすことができるのも、ある一人の男のおかげだ。 　その男は勇者ではない。また、…

初恋というものは誰しも経験したことはあるだろう。それは甘くもあり苦くもあるもの。 思いを告げ成就した者、儚く散ってしまった者、また思いさえ告げられなかった者。 これは初恋が甘…

周りへの関心が低い伊原弥美(いばら やみ)。 学園一の才女と呼ばれる神崎優里香(かんざき ゆりか)。 二人の間にはこの二年間、会話らしい会話は無かった。 ある日、優里香は持病の…