家族愛がなければ、とっくに見捨てしまいそうになる。そんなお話です。私の両親にも、いずれ訪れるのか、こないのか。どちらにせよ悲しいことに変わりありません。そう想うような内容です。彼ら・彼女らの見せた感情は日々の疲れを見せており、徒労感ばかりを見せつけてきます。この終わりのない苦悩が報われる日がくるのでしょうか? そう問いかけているようでした。
「連理の木」というタイトルが、家族心理をこの上もなく適切に現しているように感じられました。本当に切ないです。特に今のわたしには、この短編の行間にある想いが、ぐっと胸に刺さって……泣きそうになりました。