「伝えるだけ 自分らしさ」を含む小説

高校三年の夏、受験のことで母に叱責され、終電間近に家を飛び出したユキは、知らない街にたどり着く。 　頑張ることに疲れ、何もかもどうでもよくなっていたユキは、一人の男性に声をかけら…

「ねえ琥珀、はじめの狸は何故ドングリを埋めたの？」 ハチドリが聞いた。 『ホシがそうしろと言ったからだ』と琥珀が応えると、ハチドリはポカンとして暫く何も言えなくなった。 「じゃ…

三年ぶりに帰省した僕は、小学校時代に「Mr.ソングライター」と呼ばれた同級生の訃報を知る。 昔遊んでいた友達と彼の通夜までに詩を完成させようと約束し、試行錯誤しながら、忘れかけて…

主人公の美咲は幼い頃からの親友である悠人との結婚を約束していた。 二人はお互いに深い愛情を抱きながら、将来を夢見ていた。 しかし、美咲がある日、交通事故に遭い、一時的な記憶喪失と…

SNSを完全否定していた私が、発信を始めるまでの心境の変化と、執筆活動への想いを綴ったエッセイです。不完全な自分だからこそ書ける言葉があり、それが誰かのきっかけになればと願いなが…

「誰か……いませんか？」 　その声に呼ばれ、私は生まれた。 　人々の願いを映す鏡として。母親を失った少女の前では優しい母の姿を。白血病と闘う少年の前では信頼する医師の姿を。自閉…

　大切な人を救うため、青年アッシュはたった一度だけ時間を巻き戻す力を使う。 　だが、この力には厳しいルールがあった——自分の体では干渉できない、直接未来を伝えることもできない、そ…

第一話 　高校一年生の加々実優（かがみ　ゆう）は、優を「神さま」と呼ぶ奇妙な巫女に出会う。 　直後、街に現れた巨大な怪物と、優は巫女のいわく「神の御力」で戦うはめになり、なんとか…

紅林星野（くればやしほしの）大学二年生は怒っていた。付き合って二年になる彼氏が「三日後に留学する」と伝えてきたからだ。意地っ張りな性格と忙しさが災いして、会うことも素直な気持ちを…

「あたしたちが……安倍晴明の孫……？」 安倍緋月は覚えていなかった。 半妖でありながら陰陽師でもある自分が、平安の大陰陽師――安倍晴明の孫だという事を。そしてその記憶が、意図的…

八戸　樹　は平凡な人生に幕を閉じた。　 　 だが樹には強い一つの願望があった。　 　 誰かの為になりたい、人の為に生きたい、日本人として日本人の為に、そう思って生きていても人生と…

高校では自他ともに認める親友だったが大学進学を機に疎遠となっていた木葉と咲。木葉は咲に対して恋愛感情を抱いていたがその気持ちを伝えることはできなかった。 疎遠になるにつれ、大学で…

本編完結済みです。 よろしくお願いします。 都会に憧れて上京した佐々木咲。唯一の趣味は自炊。ある日、咲は見習い召喚士の手違いにより異世界に召喚されてしまう。「今すぐに帰りたい…

このエッセイは、執筆をメインに活動する私が、動画ではなく文字だけで表現するYouTube活用法について語ります。音も編集もなく、ただ和歌を通して静かに伝える実験の場としてのYou…

主人公、新葉の家の近くに森がある。その森には大きな池と小さな神社があって、水の神、龍神様と家来のカッパたちが祭られているという。 　よく晴れた初夏の夕暮れ、小学五年生になった新葉…

自分を伝えるのが苦手なくせに、文芸部に入った、今井遊兎。 高校三年の春。大嫌いなあいつとペアになってしまった。 これは、伝えられない僕が本を書く話

斎帝国の皇女でありながら夷狗は孤独だった。それは夷狗の髪が燃えるように赤く、瞳は灰色――斎人には決して現れぬ色合いだったからだ。 産みの母には疎んじられ、血を分けたはずの姉兄から…

告白されたけれど、自分の「好き」を伝える言葉が思い浮かばない女の子。 メールで返事をしようと思って夜更かしして。 スマホを握りしめて何もできないまま、時刻は夜から朝にかわろうとし…

異世界召喚された夏葉は、その直後『聖女に寄生して甘い汁を吸おうとしている不届き者』として森へと追放された。二人いた転移者のうちどちらが聖女なのかという議論もなく、即断で。 しか…

中田　笑騎（なかた　しょうき）は幼馴染の美鈴（みすず）に告白され、相思相愛の末結婚した。 幸せな結婚生活のが続くと思っていた矢先、妻の美鈴がイケメンと浮気した。 無論２人は離婚し…