宇宙が堕ちてくる日、遠く彼方の君に、逢いに行く
司之々
第一話 きっとみんな愛のため
1.あなたは神さまです
視界が、
定冠詞「The」がつきそうな
十六歳の健康な男子高校生には、まったく、なんの他意がなくても、あらがい難い吸引力を発揮する美人だった。ぴしりとまっすぐに立って、引き
中学の頃よりも、ちょっと
「あなたは神さまです」
「ええと……お客さま、ってことですか?」
「
「
さすがに我に返って、
********************
太平洋の海岸線と、ぎりぎり関東の山並みをのぞむ地方工業都市、
それなりの進学校で、電車通学の生徒も多い。放課後の時間帯、
「最近の神社って、積極的なんだな……
「いや、そんなわけないって」
のっぽで、
「
「やめろっての、
つけ加えて、遠慮がなかった。
「うん、なんかエロっぽかった! すっごい美人さんだったし! どうなってんのよ、もー、
明るい声が、あからさまにおもしろがっていた。
「ち、違うって! 知らない人、全然! その、あ、あさ、
「
「え?」
「
「そういうわけじゃ……でも、そ、それなら……」
緊急事態が転がって、もっけの
そんな無駄なことが脳裏を駆けめぐっている間に、
「じゃあ、
「
「
「あはは! めんどくさーい!」
「俺の名前も、そんな感じだからさ。わかるんだよね」
「あー、
「
「……中学の最初だけだろ、そんなの」
「おー! いーね、それ! よろしく、
「ちょ、ちょちょ、ちょっと、
「ちゃんと遠慮したよ、あたし。
「ん。
「あ、あ、あたし、
「
さらりと言う。
意外ときっちり
「どーよ? 気が
「ああ、でも迷う! み、
「うんうん。
「すごい……めんどくさいのに、めんどくさくない」
「
もう気が抜けた感じで、
自分を
「え……?」
「んー?」
「あの……
「あたしと
「そう、だね。言われてみれば」
「なんか気持ち悪いよね! あ、ごめん。自分を呼んでるみたいで、ってこと」
「どう返事するのが正解なのかな、それ……?」
軽く
「
「
「あたし? なんで? あたしは気にしないよー。
「俺のことは、その、気にして欲しいんだけどね」
「
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