「気配」を含む小説

KAC2022第十回お題「真夜中」参加作品。 恥ずかしい夢から目覚めた忍び、どうやら同室のふたりも同じような夢を見ているらしい。 三人しか居ないはずなのに感じる四人目の気配、それ…

　いつも視界の隅で、誰かの指が夜想曲を弾くような手つきを繰り返していた。執拗に、冗長に。 　それは、バスの車内で揺られる今では、周りの乗客たちが携帯電話を弄る動作であったり、運転…

見知らぬ駅で目を覚ました僕。そこには人の気配が全く無くて、異世界へ迷い込んでしまったかのような不思議な感覚に陥る。人を求めて歩き回り疲れはてて目を瞑ると、走馬灯のように甦る思い出…

　西暦２０２０年。「神は死んだ」と言われたこの世界に———まだ、神は生きていた。 　神の息吹が掛かる島、シンフォレシア。そこで栄えるシンフォレシア王国を統治する者の腕には、絶大…

　ある日、タカシは路上で騒ぐカラス達を見つけます。不思議に思った彼が近付くと、カラスは一斉に飛び去っていきました。そこにあったのはピンクでファンシーなラジオ。この少しレトロフュー…

KAC20226『焼き鳥が登場する物語』 とある焼き鳥屋には、おかみさんと、仲の良い青年2人。 美味しそうに食べる中で、何やら不穏な気配が……？ ベッタベッタな物語をめざしま…

「お腹すいたなぁ……。最後に食べたのはいつだっけ……」 　少女は空腹だった。 　奴隷狩りに捕まり、奴隷として売られる直前で逃げ出してきたのだ。 　街中では、あちこちから良い匂い…

一人暮らしの寂しさから飼った鳥・オカメインコ。 言葉を教えても、全然喋る気配がない。 それなのに、あの日……

僕が彼女と出会ったのは新学期になってすぐの頃だった。 その日は朝から色々と不幸な目にあっていた僕は暖かい日差し、そして穏やかな春風に包まれながら一人、帰路から外れたあぜ道を歩い…

『魔王』と、魔王に選ばれし最強の配下集団『十二魔将』は今日も魔族領の平和のために公務をこなしていた。 　魔王達の元に、異世界からの転移者召喚の知らせが届いた。 　八天眼が開…

花音と薫は長年両片思いの幼馴染み。 ある夏、花火大会の後、トラブルで一晩ふたりきりで過ごすことになってしまう。 夏の夜の、見知らぬ駅で。 しとしとと降る雨は、いっこうに止む気配…

＊『KAC2022 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピオンシップ 2022～』の参加作品です。 ＊第三弾。 ＊2,600字程度。 ＊元々考えていたネタの短編として構成し直しまし…

「髪洗ってるときにさ、後ろに気配感じることない？」 高校生3人のたわいもない会話。 あなたもきっと、今日の夜、後ろを振り返ってしまう。

伊佐美にはちょっとだけ不思議な特技がある。第六感とでもいうのか、雨が降るのがわかるのだ。だけどある日、雨がすでに降っているのに、転校生から雨が降る気配がして？ ある雨の日、転校生…

とにかく早く家に着きたかった。 そのために公園を横切って近道しようとしたが、なんとなく嫌な気配がして近道を諦めた。 第六感を信じたがゆえの今がある奇跡。 信じなかった時、私がいた…

六歳の時に両親に決められた婚約者。政略結婚のつもりだろうけれど彼女との仲はとても良好だった。 学園祭の準備に過労気味な日々を過ごしていたそんなある日、何やら周りに不穏な気配が………

【まえがき的なやつ】 『料理研究家リュウジ×角川食堂×カクヨム グルメ小説コンテスト』への参加作品でしたが、落選したのでエブリスタの『新星ファンタジーコンテスト　料理/グルメ』に…

――――ーとある大学生には夢があった。それは親に話せば将来をもっと考えなさい、と馬鹿にされ、友達に話せば相手にされなかった「物語を作る人」になること。たくさんの本を読んで、たくさ…

魔法と科学が融和した世界『フィクタ』。伝統的な魔法を至上とする勢力と、科学を信奉し、魔法を排除する勢力のぶつかりにより、世界は二度の対戦を経験した。対戦から、数十年経た今でも、各…

たまたま、ぐうぜん。 飲み屋で、一言二言、言葉を交わしただけの相手である。 だが去り際にその男は小次郎に告げた。 「其許。何をしでかしたかは知らぬが用心することだ。狙われておる…