「壁」を含む小説

1988年。北海道・釧路の高校から東京の大学へ進学したぼく、須崎海広（みひろ）は、陸上部の入部選抜に漏れて行き場をなくしていた。同級生の佐久間弘一に誘われて見学に行った天文部で、…

『赤。 　それはある種、僕と彼女を隔てる壁のような色だ。 　彼女の感じる赤と。僕の感じる赤には差がある。 　その差は。永遠に埋まらない。 　それは僕らの体の成り立ちが違うから。 …

友情ーーそれは、だいたい大事な場面には寄り添わず、一枚、心の壁を隔てて都合のいい時だけ、穴を開けて熱い風を吹かしてくる。 そんな、猫の気まぐれに、多少の気まぐれと黒い泥を擦り付…

空色杯12回　お題「実は僕、人間じゃないんだ」（冒頭か末尾に採用すること）、 500文字以内の部参加作品です。 あらゆる壁を超えんとする愛は鉄面皮な彼に届くのか。 オチを知って…

伯爵家に生まれながら魔力ゼロだったミリセントは義母に冷遇され、呪いでカエルの姿にされて家を追い出されてしまう。 身を隠し逃亡していると、山あいの城に住む魔王・フーミュルにカエル…

桜花神社のホームステイ制度を機にオカルト大好き留学生のミゲルと桜花明臣は出会う。しかし、楽しみにしていた高校生活で待っていたのはオカルト研究部ではなく、まさかのオカマ研究部だった…

斯くして終末は訪れた。類い稀なる歓喜よ。満々に帆を張ってカミオカンデの海を泳げ。雀躍たるニュートリノの放散は溌剌たるエントロピーの拡大とともに無間地獄の阿鼻叫喚を貫通し、ヴァルハ…

三国志の英雄の一人曹操が徐州で「大虐殺」を行うところから、赤壁の戦いで撤退するまでを、曹操と彼の部下たちの視点から語る物語である。 曹操といえば三国志の悪役として有名となっており…

チラシの裏に書こうにも、新聞取っておりません。 便所の壁に書こうにも、サインペンなど持ってない。 だったらブログに書けばいい、でもでもブログは面倒くさい。 そもそも他人に見…

五年前に早くも人生を詰んでしまった高校2年生の南蒼佑だったが、突然父の再婚によって同い年の義妹・羅奈と一緒に暮らすことになった。初対面で明らかにがっかりしている様子の羅奈は、高校…

私の中学生のころの話です。「黒歴史放出祭」に向けて書きました。 恥ずかしいからあんまり読まなくていいよ。壁]･ω･*)ﾁﾗ KAC2024第４回お題「ささくれ」にも参加する予定…

※今作は『ガラスの魔女は復活できない。』シリーズ第４（最終）編です。 第１～３編のネタバレを含みます。 ◇◇◇ 復活は果たされた。もっとも望まれない方法で。 ひとりの理想…

　私は真っ暗な部屋で目を覚ました。周りは薄暗く、場所が分からない。ただ、壁には奇妙な模様が浮かび上がっているのが見えた。私はゆっくりと立ち上がり、その壁に近づいていった。 　す…

　 　中学校へ入学したばかりの山手安芸（やまてあき）は、とある家庭の事情が原因でクラスメイトたちに避けられるようになっていた。 　自分の運命や世の中に落胆し、彼女は周りに心の壁…

心の壁、その壁面に様々な仮面が飾られている。人と接する時、その中から相手に適した仮面を手に取って顔を覆う。そうやって偽り、騙し、嘘の人生を生きてきたというのに──

エリスは移動できる家が欲しかった。 そこで、考えに至ったのはミニチュアだった。 しかし、土壁ではそういう訳にもいかず、木で宝箱を造る事に。 一応、ミニチュアハウスは完成する…

　ボックスとボックスをぶつけ合うからボクシング。 　また四角いリングも、中に入ってゴング鳴れば見えない壁に囲まれた箱だ。 　 　そんな箱の中から弾き出された男、マークは毎日酒浸り…

数学者である私はあらゆる事象を予測できるシステムを開発する。 しかし実験の結果はうまく行かなかった。 その理由は一体？

主人公　片井　真王《かたい　まお》は月収７万の底辺探索者だった。 ２２歳。男。 探索者を辞めて普通のサラリーマンになろうかと考える時であった。 そんな時。 ２年間一緒にやってき…

分断された街に天使が降り立つ。罪の鎖を断ち切るために。 ＊物語はフィクションです。似たような時代・環境があっても、関係ありません。 イメージソングはPeter, Paul & M…