概要
その日、神が降臨した
斯くして終末は訪れた。類い稀なる歓喜よ。満々に帆を張ってカミオカンデの海を泳げ。雀躍たるニュートリノの放散は溌剌たるエントロピーの拡大とともに無間地獄の阿鼻叫喚を貫通し、ヴァルハラにアンチエイジングの信念で仁王立つ自由の女神を築くのだ。そこは軍艦鳥の鼓笛隊が『We Will Rock You』を奏でる土地。そこは爆散するジュークボックスが『うっせいわ』を歌う土地。そして万夫不当のガンジーが発射した核弾頭の絶望に歓喜する市民の秩序ある混沌が、爆散する壁へ向かい走る電子ニューロンの連弾となって地平線の境界に立ち上るキノコの雲の高みを目指し、絶対音感に毒された聴衆の望みを絶つ連綿たる不協和音の連続が、歓声に沸く遺民たちの滂沱とともに音速に渡る満々たる歓喜の歌の轟音によって底無しの沈黙を拭い去るのだ