オカルト研究部だと思ったら、オカマ研究部だった
ハチニク
1話〜オカ研部〜
◇ ◇ ◇
俺は
今年はブラジルから来る俺と同い年のミゲル君がホームステイをしに来るらしい。それも俺と同じ高校に通いはじめるという。
俺が通うことになる高校、
ミゲル君は日本文化、特に日本のオカルト文化に興味があるらしく、それが理由でうちの桜花神社にホームステイをしているらしい。ミゲル君はうちの神社がお化け屋敷か何かだと勘違いをしているみたいなので、俺はこう説明した。
「うちの桜花神社はただ古臭いだけで、お化けとか出ないし、心霊現象も起きないよ。」
それを聞いたミゲル君はショックを受けていたため、彼を教室で慰めていると部活勧誘の時間となった。俺は悲しむミゲル君のために、さっき廊下でもらったオカ研部のチラシを彼に渡した。そうするとミゲル君はウキウキになり、楽しそうな表情を浮かべてこう言った。
「アタシコレハイル。」
俺の通っていた中学校は男子校だったので、共学である永遠高校に入学し、女子との交流を楽しみにしていた。入るとモテる部活はサッカー部とバスケ部だろうと思い、俺はその両方のパンフレットを受け取った。
◇ ◇ ◇
次の日
ミゲル君と学校に行き、各教科の入門みたいな初回授業をたくさん受けた。この日の放課後には部活説明会が各部活で行われていたため、まずはミゲル君の入部したがっているオカ研部の説明会についていくことにした。
「アタシスゴイタノシミネ、オカケン。」
「うんうん、でもオカルト研究部なんて珍しいよな。たしか、部室はこのあたりだった気が…」
オカ研部の部室だと思われる教室に行くと、ただならない異様な空気を感じ取った。
「ちょっと、待ってくれ、ミゲルくん。なんだか嫌な予感がする。」
「アケオミ、ダマレ。ハイルココ。」
そうミゲルくんに言われると、俺も決死の思いで、部室に入った。だが、入った瞬間、異様な空間に足を入れてしまったとすぐさま気づいた。しかし、これはオカルトっぽくて異質な空間であるわけではない。ある意味、異様な空間だったのだ。これはオカルト研究部ではないぞ、絶対に。それにしてはキラキラしすぎている。
部室の黒板を見てみると大きくチョークでこう書いてある。
「ようこそ、オカマ研究部へ」
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