「鬼 和風」を含む小説

激しき情念は鬼と為り、神と為る。 其は自覚無き故に呪には非ず、生きたる者の業たれば霊に非ず。 業念が巻き起こす、奇なる現象を《生魑-いきすだま-》と表す。 ここに綴りますはそう…

師匠の下から逃げ出し、浄土なる地へと流れ着いた妖刀携える少年、雫。国なくも秩序あるその地の食事処において、文無しの雫は口調のみ丁寧な冷笑の娘、神那に掴まり、使い走りとなり……浄土…

人ならざる異形、「鬼」の跳梁跋扈する世界。 どこにでもある農村に暮らす少年、仙兵衛（せんべえ）は、人でありながら鬼の力を持つ「憑鬼人」（つきびと）だったことを周囲に知られ、生…

　むかし、むかし。あるところに、リンゴの実から生まれた男の子がいました。彼の名前は檎太郎。 　檎太郎には秘密があります。彼は、この「むかし話の世界」の外から転生してきたのです。 …

鬼退治が終わった。ジジとババと楽しく平和な時間を過ごしいつものように眠っていた。しかし目がさめたらボクはいつの間にか鬼ヶ島に戻っている・・・・。夢なのか？現実なのか？頭が混乱して…

幽鬼――それは、人の怨念から生まれた醜い鬼。幽鬼を闇から光へ還すことができたのは、＜幽鬼姫＞と呼ばれる存在。 胡群の村に住む孤独な少女 華鈴は、村人たちに虐められ、自分の存在に自…

ーー消えた記憶を求め、彼は今日も世界を駆ける。 この世界には魔導が存在する。 それに伴った魔導現象や生物も、少なくなったが消えてはいない。 主人公、形無貴己《あらなしたかみ》は…

　昔々、ある地方――伊予之二名島（いよのふたなじま）には人間は居ませんでした。正確に言えば『鬼』が喰らい尽くしてしまったのです。日の本の民は希望を失い、生きる望みさえ消え失せてし…

神か仏か、はたまた鬼か――？　月下に舞うは異形のもの。 歳時に寄せて語りゆく、幽玄なるものたちの物語。 「いつかの日本ぽいどこか」を舞台にした、似非和風ファンタジー掌編集。一話完…

山奥で首をくくろうとしていた「あたし」こと多喜は、いつの間にか謎の世界に迷い込んでいた。秋衛と名乗る目隠しをした男に家に連れていかれ、そこで暮らすことになる。不思議な能力を持つ秋…

鬼の角を持った許嫁《いいなづけ》がやって来る。鬼人の棲まう奥深い山の隠れ里から──。

時は大正時代。 女学生の橘蝶子はある事件をきっかけに、吸血鬼を追うことになる。 三人の個性的な青年たちとの危険な旅、淡い恋、そして謎…。 試練を乗り越え、少女は成長していく。 正…

呪われた島で異形の呪いを討つ、青年と少女の物語。 舞台はかつて罪人が流されたという呪いの島。 そこに住む人々は人の恨みから生じた〝ジュソ〟という 魔物に怯え、暮らしていた。 …

人は甘いお菓子のようなもの。苦しみ悶え、よがる男を嬉々として食い荒らす美しい姉妹、ヤヨイとムラサキ。立ち寄った峠の茶屋でイケメン発見。ターゲットを落としていく様を短編でご覧くださ…

雲をも貫く巨大な断崖――〈黄泉の断崖〉に見下ろされるそこでは、日夜、戦が絶えない。 人間に死をもたらす異形〈鬼〉との。 刀を佩き銃を負い、死と隣り合わせながら息を吐く。〈鬼〉を…

鬼哭啾啾（きこくしゅうしゅう）――“悲惨な死に方をした者の浮かばれない亡霊の泣き声が、恨めしげに響き渡るさま”　想い人であった少女の死の真相を探るべく、少年は奔走する。しかし、荒…

　理系の天才少女・伊吹（いぶき）は家庭の事情で母方の田舎――「鬼」の伝承で知られる、山深い隠野（こくりの）という町の寺に居候することになった。 　変人ばかりの大家族になかなか馴染…

神に会うては神を斬り、仏に会うては仏を斬り、鬼に会うては鬼を斬る。鬼切りの東雲宗二郎は、今日も魑魅魍魎を斬る。斬れないものなど、あんまりない。

――妖とは、人の心が映し出すもの。 和風な島国季球を舞台にした、物書きの青年種田草雲と、祓い屋を生業とする兄弟の織り成す、少し不思議で少し哀しい物語。 中編連作。第一幕「桜…

妖王・天鬼が、討伐されて五年の月日がたっていた。 だが、天鬼を討伐し、人々と妖を救った柚月と九十九は、行方不明になってしまった。 弟の朧を残して……。 柚月と九十九を探す為、旅に…