「己 短編」を含む小説

山姫を奉じる五山の民の長の佐久良（さくら）は、西軍との戦に敗れ、己の半身ともいうべき山犬・八尋（やひろ）を喪った。 捕虜となった佐久良はそこで、西軍に仕え、葬送を掌る《渡し女》沫…

高度に発達した社会は崩壊し、力を持った者たちが新たな社会を形成する。 高度な技術を持ったまま己の利を得るために動く人々。成熟しきれていない社会は様々な問題を孕み動いて行く。大きな…

はのさんよりプロットを頂き、書かせていただきました。 (おそらくはのさんはこのような描写になるとは思っていなかったと思われます) 読む人によって読み方が違う作品となっております。…

私には彼氏がいる。 双方ともにゲームが好きで、そんな彼氏との生活は、こんな関係がいつまでも続けばいいな、なんて思えるくらいには充実していた。 彼は、ゲームがうまくて、それで配信者…

壱篇完結、形も話も見えないコトバたち。 小さな視界 かきうつすだけの、そのもの。 これがなにかなんて 易いことばでしかない よくわからないけどなんかわかる その程度の文が書き…

「これから死ぬってのに辛気臭い顔は無しだ！死は人生最後の晴れ舞台なんだからな！」 1912年。北海道のとある小さな村にて悲劇が起こった──── 日を追うごとに無惨な死を遂げ…

ある程度の要職に就き高収入で一流ブランドを愛する自意識過剰のブロブ その日は己の仕事の成果に充足し美しき女性店員をデートに誘ったのだが…

世界最強の魔王と畏れられた魔王ザレオスは、最強故の孤独に苦しむあまり、三〇〇年後の未来に転生することを決心する。 死に際に、彼は願った。 『皆が皆、己より強くある世界を』と。 …

「別れようリリス。俺のことは忘れてくれ」 　そう言った男の瞳には何の感情も浮かんでいないように見えた。縋ることも、問いただすことも、罵ることもできずに二人の関係は男の一方的な別…

孤児のみはるは、偶然出会ったセイに拾われて一緒に住むことになる。 考えさせられる毎日。 稽古のような、己を高める旅。 人は心を育み、成長していって、何になるのだろう？ 人間の根…

久しぶりに故郷に帰郷した私、鮎川新三は父から学生時代に付き合っていた水嶋雪が結婚したと言う話を聞く。私は、己の気持ちを確かめるために雪に会いに行く。

勇者は魔王城で迷い、女魔王の寝室に飛び込んだ。 そこにあったのは女魔王がいつも横になっているベッド。 下着を納めているタンス。 彼は理性と野生の狭間で己を律しようと耐えるが、そ…

魔術というのは奥が深い。言語、歴史、数学、地理、伝統………どれを取っても、魔術ほど広義でないし、その知識量は秤にかけることも烏滸がましい。 いや、いっそ愚かと言える。 私は、決し…

自称神の生まれ変わり、素戔嗚ミヅキ。 暴力と性欲を従えた美貌、雁夜坂メルティーホイップ涼矢。 ホスト界頂点の一角を担う神威、暁ハル…。 その他様々な個性と力を持ったホスト達が己…

鳴り止まない深夜のインターホン。 恐怖に震え思考を迷走させる私が明くる朝に出くわしたのは、玄関先の惨状と衝撃の真実で―― ※KAC2021 ～カクヨム・アニバーサリー・チャンピ…

霊媒師三傑、水木家に妾腹として誕生した水木亜夏土。 霊媒術もあり霊力も豊富で己の成長のために東京祓い屋教育専門学校に入学した。 だが入学してからまもなく、かつての黄金時代に引け目…

76歳の男、竹内剛は己の人生経験で培われた直観を信じて生きている。 今日もいつも通り、直観をフルに使って余生を過ごすはずだったが――。 この物語がシリアスであるか、コメディ…

詩歌で名を残すこと叶わず、その身を虎に変えてしまった李徴は、かつての友、袁傪に出会う。 しかし、虎になった己の身など晒せようはずもなく、草叢の陰で別れを告げる。 友が去ったその…

世界中から戦車兵達が集い、己の腕を競い合うスポーツ、戦車バイアスロン。 これは、そんな戦車バイアスロンにスルーズ王国代表として参加した、3人の少女達の物語である。

月明かりが雲間に隠れた丑三つ時、男はある廃寺を目指し歩んでいた。そこに潜む男の、友を殺した男のこの手でその首を討たんが為に。 しかして、震える胸の内。 それは恐ろしいからか、武者…