概要
己が業は、己が一番分かっている。
月明かりが雲間に隠れた丑三つ時、男はある廃寺を目指し歩んでいた。そこに潜む男の、友を殺した男のこの手でその首を討たんが為に。
しかして、震える胸の内。
それは恐ろしいからか、武者震いからか。
それは、男のみぞ知る話である。
しかして、震える胸の内。
それは恐ろしいからか、武者震いからか。
それは、男のみぞ知る話である。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!後半の高揚感が忘れられない
赤鼻の権兵衛読ませていただきました。
男同士の鬼気迫る闘気が文字から滲み出てくるような小説でした。とても素敵です。
僕はあなたの別作品を読ませていただいた時、活劇のようだなと感じましたが、この赤鼻の権兵衛は朗読、、それも講談のようなものをイメージしました。口の中で転がす言葉のリズムとでもいうのでしょうか…そういったものが口にした時にするりと声帯から出てきて自分の言葉になり朗々と聞かせる、そんなことが可能だと思える不思議な読み物だと感じたのです。僕はこの作品を読んだあと、一通りそのうまい文章力に酔わせられ、次に口にしたくなり、さらにそれを聴きたいと思わせる魅力を持っためずらしい作品だなと思いま…続きを読む