後半の高揚感が忘れられない

赤鼻の権兵衛読ませていただきました。
男同士の鬼気迫る闘気が文字から滲み出てくるような小説でした。とても素敵です。
僕はあなたの別作品を読ませていただいた時、活劇のようだなと感じましたが、この赤鼻の権兵衛は朗読、、それも講談のようなものをイメージしました。口の中で転がす言葉のリズムとでもいうのでしょうか…そういったものが口にした時にするりと声帯から出てきて自分の言葉になり朗々と聞かせる、そんなことが可能だと思える不思議な読み物だと感じたのです。僕はこの作品を読んだあと、一通りそのうまい文章力に酔わせられ、次に口にしたくなり、さらにそれを聴きたいと思わせる魅力を持っためずらしい作品だなと思いました。
内容ももちろんとても素敵で僕好みでした。特に赤鼻が腹を割るところから一息に加速するスピード感…!自分も主人公とともに気持ちが昂っていくあの高揚感!紙の本でいうところのページ、電子ならではのスクロールバーがどんどん下へ下へといくのが惜しいくらい!そしてまさに歓喜の絶頂!というところで場面が変わり今度はなにやら静かに語りかけるような懺悔するような。あの昂りとは正反対の静謐。対比が素晴らしい。
…たくさん伝えたいことはあるのですが残念ながら語彙力が足らずここまでとさせていただきます。ただ自己満足のようなコメントになってしまったのをお許しください。
次回作も楽しみにしています。大変な世の中ですがくれぐれもご自愛ください。