「羽 短編」を含む小説

皆、心に秘めた探し物を持っている。 時々探しているうちに、 道に迷ってしまう。 でも怖がることはない。 皆一人では生きていないのだから。 誰かと寄り添い、支え合い この世界を…

化けて出たのは一羽の烏。成仏のために未練を晴らす。

　会社が倒産してしまった蕨野羽矢士（わらびのはやし）は一年だけ小説を書くことに集中することにする。文芸の編集であるいとこの真美に、アドバイスを求めるもあっさり断られた。だが、作家…

夏休みを利用して田舎のおばあちゃんの家に遊びに来た“ボク”。 友達もいなければゲームセンターもない寂れた町には娯楽が無くて。 暇をつぶすために毎日おばあちゃんの家からほど近い裏山…

ある春の日のお昼休み。高校の廊下の曲がり角にて、桜羽アザミは待ち焦がれていた運命の出会いを果たす。 ――ゴリラとね。 笑顔になりたいあなたに捧ぐ、ラブコメるようでラブコメない青…

――暗闇にぽっかりと浮かぶ生白い首筋に、剃刀の刃を当てた。 花街の片隅、水揚げを控えた私のそばには、いつだって幻蝶の姿があった。 美しく奔放で艶やかな彼女を、私は疎んで、妬んで…

　お題「尊い」 　―― 　一年に一度、全世界を巻き込み、開かれるお祭りがある。 　七大国の内の一国を舞台とし、一週間に渡って七大国それぞれが持つエンタメを競合する、一年の集大…

今年もやって来た暑い夏の到来。 木の片隅で羽を宿した成虫になるために、いつの日か、素敵な昆虫ライフを夢見た一匹のセミがいた。 彼には名前はなく、セミ社会では個体番号の７３１（セミ…

｢君が人間じゃなくて良かった──幸せでね｣ 　昔出会った少女の言葉。 ｢だからこそ僕は人間になりたい｣ 　喫茶店を拠点とし、人になろうと奔走する一羽のカラス。 　人間とは？幸せ…

生きるも死ぬも、自身で選択することはできない――。 大好きなおじいちゃんの死。 残された羽奏（わかな）の小さなお話。

夜明けに羽を授かったひとりの女の子のお話。

憂羽（ユウハ）２４才 元ヘルス嬢。２０才のときに奏雨と出会う。２３才のときにパンデミックが起きて無職になる。アニオタ。 奏雨（ソウ）２２才 元ホスト。１５才のときにジャニーズと…

　フランセーズ幕府が、民衆へ服装規制を行う世界で、御洒落御免状の発布を求める維新軍が担ぎ上げるのは、緑扇宮ルウ……。ファッションデザイナーとそのフィットモデル（語義はパートナー）…

　隣の家に住む幼馴染の日英ハーフ金髪美少女・土器山羽爾衣(どきやまはにい)がハニワになってしまった。それを救うべく埼田行人(さいたゆきと)はキスをすることに……？ 　おそらく世…

まだ花も葉も無い桜の木の下の、陽光に佇む美少女。 つぶらな瞳は、右は茶色く、左は青みをおびたオッドアイ。 僕が君に出会った日、君はレイラと名乗った。 本名は神呂木 妙《たえ》。 …

黒い色しかない「影の森」。黒い地面に黒い木々、黒い動物たちがひしめき合うその森の中に、一羽だけいる白い鳥。それがボク。みんなと違うボクは、いつも一人ぼっち。傷ついた自分を守るため…

不死鳥が鳥類を厳格に統制する空。 人間の頃の記憶を保有したまま鳥に転生した因は、恋人に会うため、島鳥でありながら、禁じられた《渡り》を実行に移した。

俺は死んだ。人に見せられない姿で。 … …… ……… ？ ……？ ？？？ ⁉ 女になってるぅー⁉ ジーザス。どうやら俺は女の子になって異世界に転生したらしい。服…

　その日の暑さは最高値を記録。 　目の前には猫。そう、猫だ。 　ぼくの身体中に猫が集っていた。 　別にぼくは魔女や魔法使いではないのに何故こんなに猫が集っているのだろう？ 「それ…

同級生の羽城条を最高の役者と信じて疑わない牧新は、条の演劇部の引退作に相応しい物語を書こうとする。しかし新はその過程で自分が条に惚れ込んでいるほど、条が演劇に惚れ込んでいないと気…