「短編（完結済み）」を含む小説

「じゃあ私って、今ある幸せを壊せる価値がありますか」 綺麗なものを汚せば、居場所を得られるような気がした。 恋人の暴力、不倫。歪で痛々しい願いに溺れる。

里織菜と私は友達。拓斗と私も友達。 互いにそう思っているとは限らない。 友情と恋心、そして僅かな同情は交わるようで交わらない。 ※やや百合要素を含みます。短編。 エブリスタに投…

魔族に村が襲われた。門番の少年は打ちのめされた。偶然にやってきた勇者、聖女、剣聖の三人。そして、そこから始まる少年の”勇者”としての物語。

　郵便局の仕事に誇りを持つ、安藤文叶。『どんな時でも必ず郵便を届ける』をモットーにする、局長の二階堂。 　そんな二人が務める町の小さな郵便局で、ポストに牛乳が流し込まれる事件が起…

ある絵描きが居た。 彼は人の似顔絵を描く際に、右手を見るのが趣味だった。 この物語は、そんな彼の見てきた右手の記録を、淡々とつづる物である。

僕の両親はデータを愛していた。そして、僕はそんな両親を愛していた。 ある日、世界が滅亡するというニュースが世界を駆けた。僕はアンドロイドと供に滅亡へと世界が向かう中、両親のもと…

一人暮らしを始めてから一年。 何気なく日々を過ごしていた私の前に、彼は現れた。 罅割れた蒼い鱗。目を引く赤い爪。 異様な姿の、けれど存在感を持たない彼は、私に問う。 「ぼくの…

美山朝子は、真面目さ以外に取り柄の無い少女だった。 毎日勉学に励み、けれど友達はおらず、一人教室の隅で大人しくしている少女だった。 だがある日、彼女は声を掛けられる。 相手はク…

　元・お姫様に突然話しかけられた屋敷の庭師。彼女はなぜか庭師をお茶に誘い、思い出話を始める。それはつい最近まで続いていた、そしてお姫様の人生を変えてしまった戦争の話。 　なぜ彼女…

殺人姫の銘を持つ都市伝説と、"四代目"の、或る朧月夜の邂逅の話。

死滅の国に降り立ったアリスは、なにかから逃げるように歩き出す。

のっけから汚い話で申し訳ないのですが、その時私は、小便がしたかったのです。これは、2018年1月2日未明にかけて私に起こった、ノンフィクション掌編小説です。

初投稿。 墓を守り、人を看取る化け物の話。 明るくはない、けど、バットエンドでもない。 きっとハッピーエンド。

月都市の葬儀センターに、白い箱を抱えた少女が現れる。 「ピートが……猫が死んじゃったの」 箱の中には、猫型の家庭用愛玩ロボットが眠っていた。 資源センターでのリサイクルを拒否…

　バイトリーダーになった中橋は、いつものようにエリアマネージャーの高見沢に送られて、夜道を帰っていた。 　今日は、ハロウィン。 　近所の幼稚園の子供たちの為にお菓子を買う中橋に、…

貴方のためのチョコレート。 でも、貴方には絶対あげないチョコレート。 勇気を出すことは、あまりにも難しくて今年も私は嘘をつく。 「これ、好きな人にあげるんだ」 これは意地っ張…

あの時、あの瞬間、あの橋で彼と出会えたことは運命だったのかもしれない そう思えるほどに私の人生は変わった いつも笑って私の話を聞いてくれる いつも本気で私とぶつかってくれる いつ…

校内１のプレイボーイ悠貴には、幼いころから思いを寄せる幼馴染がいた。 しかしすれ違う彼らに神様は微笑まない。 そんなバレンタインのこと、悠貴は逆チョコを渡すためこっそりと用意する…

本日は当美術館の企画展示『偉大なる寿司画展〜寿司活動の美、その今昔〜』へお越しいただき、ありがとうございます。 当美術館では写真撮影、寿司を含む飲食、冷凍マグロを含むネタの持ち込…

たまに行く寿司屋には、寿司の精霊がいる。 名を寿司という。「すし」ではない。「ことぶきつかさ」である。