「白く」を含む小説

　ぬるい風が墓場の方から吹いてきたように、足元をするすると通り抜けていった。どこまでも続く長い道は、眩い光を浴びて、幻のようにぼんやりと白く光って見えた。どこへ行くとも当てがある…

目を覚ますと不思議な場所にいた。白い立方体が並び、地面も空も白く無機質な世界。そこで僕は一匹の黒猫の姿を目にする。黒猫のあとを追っていく内に、僕は少しずつ記憶を取り戻していく──

　５月のある日、部活をサボった吉川ハルトはそのまま帰宅する事にした。その日もいつもと変わらない日常で、何事もなく普通に帰れるはずだった。 　しかし、この日の彼はいつもとほんの少し…

東北で染め物を営む少女の、純白な恋の物語です。 新潟で伝統的に行われている「雪晒し」を題材にしました。 読んで心が暖かくなる、そんな作品に仕上がりました。 ピュアラブが好きな方、…

「きっと神様が僕たちを友達にしてくれたんだよ！」 　白く光る巨大な入道雲が浮かぶ青空の下、眩しい笑顔で君はそう言った。 願いを叶えてくれた神様へお礼をするため小学生のミコト…

※存在しない原作の二次創作アンソロジー『虚景』 に寄稿した作品です。 存在しない「原作」を決め、その「二次創作」をするのがコンセプトでした。集団幻覚です。 "ゲーム『Dust…

――世界の果ての薄明に、 白く小さな復讐の花が咲く――。 山間部でサボテンが異常繁殖していることを除けば、どこにでもあるありふれた街、藤見原市。 「自由研究ってわけじゃあな…

21世紀に大きな戦いがありました。 それ以降――異様に白い、子どもが産まれる様になりました。

冷雪病。未解明であり、所謂、不治の病。その症状は進行するにつれて体温が日に日に下がり続ける。その体温は人間が本来死んでいるであろう値を突破しても、続くという。何より恐ろしいのは身…

テキパキ動こうとしても動けない。 テキパキ動こうとしてもドジをする。 ウスノロな自分に悩まされ、周囲に責め立てられ、仕事もうまくいかなかった。 そんな作者がかつて作り上げたブログ…

　ある日夢から覚めると、そこは森の中だった。側には見たことのない白くて小さなもふもふの獣が。目覚める以前の記憶をなくしたソラと、小さな獣クラウは力を合わせてその森を抜け出すことに…

大きな鳥籠の中に佇む紫魔子。彼女の足は病的なまでに白く透き通っていて、ひやりと冷たく、まるで死人のような足をしている。ああ紫魔子、私の紫魔子……。美しい紫魔子の足と戯れる男のある…

四つ歳上の可愛いくて、タレ目で、肌が白くて、背が低いのに胸が大きい。 そんなバイト先の社員、西さん。 ※このお話は何年も前に書いたもので、他のサイトに上げております。

誰にでも人に言えない秘密がある。 充実した高校生活をおくる清水美玲。部活ではエース。彼氏持ち。おまけに整った目鼻立ちの美玲は女子高生の理想だ。 そんな美玲には親友二人だけが知る秘…

目が覚めたら白くてなにもない空間に閉じ込められていた。 目の前には神様。いくつもの目玉を埋め込んだ、気持ちの悪い肉塊だった。

作者が文芸部で書いた冬の短編です。 第一話「暗闇とクリスマス」 放棄された図書館で白く色あせたサンタクロースの絵本を拾った少年と、過去に未曾有の災害が襲い滅茶苦茶になった世界の物…

喫煙所が繋ぐ小さな物語

未だ陽の昇らぬ街は朝靄に沈んでいる。その海を抜けて月島志津男が、遮二無二と立ち漕ぎで坂道を登っていく。晩秋の未明、その日は特に冷え込み志津男の吐く息は白く舞い上がる。しかしその額…

※不定期更新です 「どこだ？ここ…」 黒神朔夜は典型的な陰キャの見た目をしている。 だがそれは仮初の姿。 彼の正体は裏社会で名…

　こんにちは、腐女子です。異世界転生して美少年になりました。 　そう、自分で言うのもナンだが、かなりの美少年だ。銀の髪に青い瞳で、お肌も白くてつるつるだ。 　……と言いながら、実…