お笑い芸人 トム・ブラウンみちお:「全てが計算されている凄さ! 後半も鬼のような強さで面白くなっていく作品に出会いたい」|「次にくるライトノベル大賞」開催記念特別企画

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現在、「次にくるライトノベル大賞」が開催中です。
「次にくるライトノベル大賞」は、次世代にブレイクするであろうライトノベルを一般読者自らがエントリーし、またユーザーの投票で大賞を決める、新しい賞です。
それに合わせてライトノベルにゆかりのある著名人の方にインタビューを行っております。今回は「カクヨムWeb小説コンテスト」への参加も発表し、ご自身でも小説の執筆を開始されたWeb小説大好き芸人、トム・ブラウンのみちおさんにお話を伺いました!

tsugirano.jp


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――どのような作品を読んでいますか?

みちお:Web小説を読み始めたきっかけが『無職転生 ~異世界行ったら本気だす~』(著:理不尽な孫の手)なので、最初は「異世界転生もの」でランキング上位のものを探してWeb小説を読み漁ってました。でも、途中からいわゆる「ざまあ系」じゃないけど、〝弱い〟と烙印を押された人が実はすごかった、というようなタイプの作品も面白いと思ったので、そういうものも読みはじめました。そのほか、「バーチャルリアリティ(VR)もの」にもはまりました。ハイファンタジーではなく現代の地球に魔物があふれてしまうようなローファンタジーも大好きです。つまりガバガバです。


――かなりWeb小説にはお詳しいとのことですが、いつもどのようなタイミングで読書をされているのですか?

みちお:いや、先に否定しておきます! 詳しくはないです。詳しいと言ってなにか質問がきたときに答えられないでガッカリされないようにそう言っておきます。ただ確実に大好きです。読むタイミングは、仕事終わりの帰りがけや、地方仕事の移動中に大体読んでます。飛行機だと航空会社によってはWi-Fiも使えなくなってしまうので、アプリなどで事前にWeb小説を20話分くらいダウンロードしておいて、空の上で読みます。寝落ちしたらしたで気持ちが良いし、寝ずに読めたら読めたで達成感と面白いものをインプットできるので最高です。


――読む作品を決める際、どのような基準で選んでいますか?

みちお:気分によって変わりますが、基本的には年間ランキングで調べたりします。年間ランキングの100位内とかの中で面白そうなものを見つけたら読む感じですね。あとは「M-1グランプリ」等に出させていただく前はバイトの休憩中に読んでました。そういう時は時間もあったので、デイリーランキング等で好きそうな作品をチョイスしたりして読んでいました。ランキングから読むチキン野郎です。唐揚げにしてください。


――次に読んでみたいのはどのような作品ですか?

みちお:『ヘルモード ~やり込み好きのゲーマーは廃設定の異世界で無双する~』(著:ハム男)が凄いなと思ったので、最初のスタートは緩いけど、中盤から鬼のような強さで面白くなっていく作品に出会いたいですね。やはり連載だとスタートダッシュが凄いものの、途中から緩くなっていく作品が多くなるし、それが当たり前だと思うのですが、『無職転生』とか『社畜ですが、種族進化して最強へと至ります』(著:力水)のように、後半も面白い作品に出会えると興奮します。自分もそんな作品を書いてみたいです。


――ご自身が「本を読むのが楽しい」と感じた、最初の思い出を教えてください。

みちお:一番初めに小説を読んで面白いと思ったのは赤川次郎さんの『ふたり』ですね。あとは乙一さんの『GOTH』や東野圭吾さんの『手紙』などが面白くて小説が好きになりました。ですが、全くお金の無い時期が続きまして……TSUTAYAに行ったらレンタル漫画をやっていて、そこで『転生したらスライムだった件』(漫画:川上泰樹/原作:伏瀬/キャラクター原案:みっつばー)を見て面白いと思ったんですが……レンタル代すらなく、じゃあ投稿もののWeb小説を読んでみようと最初に読んだのが『無職転生』でした。沼にハマるきっかけの作品です。


――芸人としてお仕事をされるにあたり、たとえばネタ作りなどで読書の経験が役に立ったことはありましたか?

みちお:マジな事を言わせていただくと想像力が上がりました。文字だけで世界を頭の中に作り上げて話を読むので文章理解力も上がって、番組の台本の理解度等も上がったと思います。でも、文字を書く方は得意じゃなかったんですけどね。今回の経験(編集注※「カクヨムWeb小説短編賞2021」作品の執筆)で少しマシになったと思います。


――これまで読んだライトノベルの中で気に入っているシリーズや、その作品に関する思い出などがありましたら教えてください。また、今イチオシのライトノベルがありましたら教えてください。

みちお:イチオシはもちろん『無職転生』です。いまさら僕が言うことでもないのですが。主人公の心がどんどん成長していく様が素敵です。最後の決戦の時は号泣しました。次に『八男って、それはないでしょう!』(著:Y.A)を、その次に『盾の勇者の成り上がり』(著:アネコユサギ)を読みました。どちらも本当に面白くて感動しました。そうやって色々読んだあとに『落ちこぼれ[☆1]魔法使いは、今日も無意識にチートを使う』(著:右薙光介)と出会いました。この作品から、転生とか転移要素がなくても面白いものがあることに気付きました。そして『ヘルモード』。全てが計算されている凄さを知りました。今連載中のイチオシなら『ヘルモード』です。


――「カクヨム」でも小説を読まれるとのことでしたが、たくさんの作品の中からお気に入りの作品とはどのようにして出会いましたか?

みちお:投稿系のサイトのランキング等をさまよって面白そうなのを読ませていただいております。カクヨムさんのランキング等も、うろちょろ見させてもらって面白そうなのを読ませていただいております。にわかですいません。


――ありがとうございました、最後にみちおさんの作品を楽しみにされているファンの皆様へ、メッセージを頂けますか。

みちお:気合い入れて書きました。芸人史上初めてのハイファンタジーだと思います。良かったら是非読んで下さい。



本当にWeb小説が好きなんだということがよく伝わってきますね。そんなみちおさんが現在執筆されている小説、いったいどのような作品になるのでしょうか。とても楽しみです! 

みちおさん、ありがとうございました!


【プロフィール】
トム・ブラウン みちお:1984年生まれ。北海道出身。お笑い芸人。ケイダッシュステージ所属。2009年、布川ひろきとトム・ブラウンを結成。M-1グランプリ2018ファイナリスト。