概要
何があったのか?私がやったのか?単純な興味が狂気に繋がる。
真実は何なんだ?小さくつまらない真実が見えている。
私はただ、掘り起こしたいと思ったのだ。
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※この物語は演出上、犯罪や暴力シーンがありますが、法律・法令に反する行為を容認・推奨するものではありません
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!想起・責任転嫁・昇華
ただただ衝撃的だった。
これはある街で起きた陰惨な事件を、関係者へのインタビューから掘り起こしてゆく物語だ。
そこから現れていく、あまりにも残酷な関係性の連鎖に目が眩んだ。
たとえば「ひどい」出来事があったとする。人間関係の中でそれを壊してしまうような出来事、あるいは誰かをひどく傷つけてしまうような出来事。
そんな事が自分の近くで起きたとする、それをただ見ていただけだ、と主張したとする。
でも、本当にそうだろうか。
あらゆる因果は巡る、運命論などではなく、人間は関わり、触れる生き物だ。安全な場所でそれをただ傍観している事などありえないのではないか?
端的に言えば、おまえは誰かのせ…続きを読む - ★★★ Excellent!!!怖いのは人の言葉と心★狂気のインタビューの連鎖に刺激される怖い物見たさ
先のレビューでも語られているとおり、インタビュー形式のみで物語が紡がれる異色な作品。
ある事件の真相に迫ろうとした犯人の友人が、関係者に一人ずつ話を聞きに行くというものです。
地の文がなく、さらに漫画ではないので、読者は登場人物(インタビュアーとインタビュイー)の発言だけを頼りにストーリーを辿っていく。
真実なのか嘘なのか分からない不安定な足場を目隠しして(登場人物の音声と捉えれば)聴覚のみで渡り歩いている心もとなさが読み手に恐怖を与えます。
またインタビュイーは稀代の少年犯罪者の関係者で、もともとか事件によって歪められたかはさておき、情緒不安定な曲者ばかり。(比較的まともなのは一人目く…続きを読む - ★★★ Excellent!!!誰かの言葉が掘り起こす、置き去りにしてきたはずの真実
なによりもまず感じたのは「言葉のリアル」。
ある事件の現場にいた人たちへのインタビューを書き起こした体で物語が構成されてるんですけど、このインタビュイー(インタビューされる人)の言葉がふらふら迷ったり私情で歪められたりしながら、それでも少しずつ、ひとつの事件を浮き彫りにしていく……
いわゆる“一方的な意見”が語られていくリアルと、それらが縒りあわされることで垣間見える真実。
このふたつが「迫り来る怖さ」を演出するわけです。
うん、これだけでも充分に怖いミステリなんですが、インタビューを続ける中で、さらに浮き上がってくるんです。
この物語の視点主であるインタビュアーの姿が。
詳しくは本編を…続きを読む - ★★★ Excellent!!!閲覧注意。「声」が語る、ある少年が起こした残虐な殺人事件の余波
いつもレビューを書く時は他人に薦めたくて書くのですが、僕は本作を誰彼かまわず薦める気にはなれません。だけどこの衝撃と読後感を自分一人の中に留めておく気にもなれません。なので最初に忠告します。覚悟のある方だけ読んでください。
本作について概要を説明します。
本作に地の文は出て来ません。インタビューを行う「インタビュアー」とインタビューを受ける「インタビュイー」のやり取りで構成されています。多くの章の最後にインタビュアーのメモが残されており、敢えて言うならばそれが地の文と言えるでしょう。かなり変則的なスタイルを取った作品と言えます。インタビュアーがインタビューする内容は十年以上の前にと…続きを読む - ★★★ Excellent!!!痛みを伴いながら瘡蓋を剥がした結果得たものとは
インタビューする人物ごとにそれぞれの主観が強烈に描かれた今作。しかしこれらはバラバラの意見を集めているようで、実はインタビュアー自身に対しては実に的確に、紡ぐように、また抉るようにして描こうとし、インタビュアー自身もこれに突き動かされるように思考をよぎなくされ、終盤ではそれが一気に加速する。
またここでは強烈なキャラクターばかりが登場するが、逆にそれほどの強さがない限りこの瘡蓋を剥がすには至れなかったのはないか、とも思う。
その難易度がわかりやすく表れているのは4話のメモであり、この作品の中で最も怖かった部分でもあるように感じた。