八人目~川上綾子~
○なんで君が…いるんだ…
■………
○田中と…一緒にいるのは…君だったのか…
■………
○どうして…
■帰ってください。話す事は無いです。どうして探したんですか。そっとしといてください。
○そんな…どうしてなんだよ。
■帰ってください。お兄ちゃんとは会わせられないです。
○君がいるなんて知らなかった。リョウコだって聞いていたけど…アヤコちゃんだったのか…いや、本当に君がいるなんて知らなかった。それは本当だ。
■帰ってください。何しに来たんですか。帰ってください。
○……そう言う訳にはいかないんだ。僕は田中と…会いたいんだ。綾子ちゃん。僕は…別にどこかメディアに何かを流すために田中を探したんじゃないんだ。ただ…そう、そうだ。田中がきちんと生きられているのか…それを知りたいんだ。
■坂本さんがいなかったらお兄ちゃんはああならなかった。帰ってください。これ以上私達を苦しめないでください。
○…僕も…苦しんでいる…起きたことや…色んな事を聞いて…綾子ちゃん。綾子ちゃん…頼む。田中に会わせてくれ。それだけで良い。
■会って…どうするつもりなのですか…
○謝りたいんだ。
■え…謝る?
○そうだ。田中の事をずっとずっと考えてきた。田中のことだけ考えて生きてきた。僕の人生は…田中に支配されているんだ。
でも…その原因は僕にもある。田中に謝って何があるのかとか…そう言うのはわからない。でも…今よりは少しだけでもマシになると信じている。
■………入ってください。早く。
○ありがとう。
■あんまり外で騒ぎたくないんです。どうぞ。入ってください。
○でも…本当にびっくりしたよ。田中は彼女と住んでいるって話だったから…川上綾子…そうか、あの事件の後…
■はい。あれから両親は離婚して私は母と暮らしていましたから。でも、よく会いに来れましたね。私達を苦しめたいのですか?あなたと…森さんがはじめた事なのに…お兄ちゃんだけが人殺しって言われて…本当に…あなた方は何なのですか?
○待って。確かに僕と森が…最初にはじめて…田中を引き込んだ。でも…人を殺す事なんて…そんな事僕らは考えていなかった。ただ…学校で馴染めない人間が集まって…遊んでいただけなんだ。ほそこには…本当に嘘は無い…でも…本当にびっくりした…田中は…きちんと暮らしているのか?前の工場の人からは…彼女と結婚すると言って辞めたらしいけど…
■ああ…そんな風に言っていたのですね…私が…私がお兄ちゃんと一緒にいるのは…お兄ちゃんを守るためなんです。お兄ちゃん…施設から戻ってきて…こんな世界で生きていけるはずが無いじゃないですか。
誰もが好奇の目で見ている…本当は…お兄ちゃんをどこにも出したく無い…私がずっとずっと守り続けたい…でも…お母さんはお兄ちゃんに会いたくないって言うし、お父さんは…お兄ちゃんでお金儲けをしようとしている…お兄ちゃんを守れるのは私だけなんです。
○…君が…養っているのか?
■……養うとかじゃないです…守っているんです…こんな世の中から…お兄ちゃんを苦しめる存在から守っているんです。
どうやって暮らせると思うんですか?工場?あんなところ…周りの人に好奇の目で見られるだけですよ。
○叔父さんには連絡してないの…?
■あんな狂った男…一番会いたくない。お兄ちゃんを守れるのは私だけです。私がお兄ちゃんに平和で、平穏で、穏やかな暮らしを…させてあげているんです。だから帰ってください。折角この落ち着いた、誰にも邪魔されない生活を手に入れたんです。もうそっとしておいてください。もう良いじゃないですか。謝っても謝っても誰も許してくれないんです。だったらもう消えるしかないんです。
できる限り世間を騒がせずに生きるしかないんです。
坂本さんがこういう風に家を調べてやってくるのも迷惑なんです。お兄ちゃんはただただ平和に、もう犯罪とかに関わらないで生きていくんです。邪魔をしないでください。
○田中は…どこにいるんだ…
■言いません。もう関わらないでください。
○まさか…綾子ちゃん…もしかして…
■お兄ちゃんを守れるのは私だけなの。もう世界に私だけなの。坂本さんはもう触れないで。お兄ちゃんは私の宝石なの。坂本さんがお兄ちゃんに触れるとそれだけで汚れちゃうから絶対に触れないで。お願いします。絶対に駄目。許せないから。
本当にお願いします。やっと静かになったんです。やっと静かにできたんです。やっと…やっと少しだけでも…許されないかもしれないけど平穏な生活に戻ることができたんです。だからもうそっとしてください。どうして私達をいじめるのですか?坂本さんも周りの人と同じ。私達をいじめて、流れた血を味わって、私達の苦しむ姿を見て生きているって事を実感したいだけでしょう?
どうして放っておいてくれないのですか?被害者の方なら良いんです。被害者の方なら…私達を殺しても何も言いません。覚悟と責任を感じながら殺してくれるなら私達は天国に行ける。でもあなた方は違うじゃないですか。
私達を殺さない。それは勇気が無いからです。だけども流れる血を見たい。坂本さん、あなたもこっち側、加害者の側じゃないですか。どうしてそんな…何も無いような顔で私達をいじめる事が出来るのですか?不思議でしょうがないです。どうしてあなたは普通に、毎日を楽しんで、苦しい事も乗り越えて、悲しいこともやり過ごして生きていられるのですか?教えてください。坂本さんは…罪の意識を…感じていないのですか?
○違う!僕は…僕は何もやってない!そりゃ…最初に森と田中で…一緒にウドルカルマを作った…でも…そこから…僕はすぐに抜けたじゃないか!ああなったのは…森と田中が…特に…森が…森が…
■私、知ってるんですよ。
○何を…
■坂本さんが、森さんのお母さんとセックスしたって。それを森さんに見せつけていたって。お兄ちゃんが…森さんから聞いたって言ってました。
○それが今なんなんだ!関係ないだろ!!
■森さんは…坂本さんから…お母さんを取り戻すために…変わっていったって…お兄ちゃんが言ってました。毎日泣きながら、泣きながら私に言うんです。「僕は怖い、断ったら森に殺される。森が女の子を殺した。ばれたら僕は生きていけない。殺される」ってずっとずっと言っていました。森さんを追い詰めて…お兄ちゃんを…追い詰めたのは坂本さんじゃないですか!!
坂本さんがいなかったら…坂本さんが…お兄ちゃんに近づかなかったら…私達は苦しまなくても良かったんです…いいえ…今も…苦しまなくて良かったんです…
○そんな…森が…森がやっていたのか…
■森さんは…女の子を殺す時、ずっと「お母さん、お母さん。凄いでしょ。こんな事、坂本にはできないでしょ」って言いながら…何人も…お兄ちゃんは…それを手伝わされていて…ずっとずっと手伝わされていて…
どんどんおかしくなっていった…「僕が殺したんだ」とか…「森は僕なんだ。僕が止められなかった僕なんだ」って…ずっとずっと…毎日泣いていたお兄ちゃんは…涙を流さなくなった…ずっとずっと森さんを手伝っていた…そのために嘘の証言をしたり…死体をバラバラにしたり…お兄ちゃんの性格でそんな事…普通にできると思いますか?それなのに…ずっと続けている事で…お兄ちゃんは…どんどんいなくなっていった…ううん…そこには、近くにはいる…でも…そこに存在しないように…
まるで別世界で多くの事が起きているように…そんな目をして毎日を過ごすようになってしまった…
○まさか…森が…そんな…先生との事が…そんな…
■後悔してるんですか?そんなの無駄ですよ。もう全部終わった。全部終わってしまった。お兄ちゃんは人殺しとして生きることになって、坂本さんは何もなかったかのように、部外者のように生きている。それだけです。もうそれだけなんです。
本当に…本当に腹が立つ…どうして…お兄ちゃんが一人で抱え込んで…抱え込んで…この世界から消えるように生きて…これから先も生きないといけない…
だから…私が守るんです…お母さんもお父さんも守ってくれない…もう誰も守ってくれない。お兄ちゃんを一人にしたら…その存在すらこの世界から消してしまう…そんなの…耐えられない…私はどうやって生きれば良いの?死ねば良いの?お兄ちゃんは…やってないのに…坂本さんと森さんに…巻き込まれただけなのに…それなのに…もう返ってこない。お兄ちゃんは返ってこない。絶望を通り抜けた先に行ってしまった。どうしたら良いの?教えてよ?お兄ちゃんを返してよ?十五年、これから先、まだ三十五年は生きないといけない。このままで?ずっとこのままで?
なんで坂本さんは…生きてるんですか?森さんを…殺してまで…
○なんで…森を…殺したなんて…
■なんで何も知らないと思っているんですか!!どこまで私達をバカだと思っているんですか!!お兄ちゃん…言ってました…森さんから聞いたって…「森は坂本を殺そうとしている。計画は動いている」って…お兄ちゃんが…警察に逃げた後…森さん…殺したんでしょう?自殺に見せかけて…
○あれは違う!事故だ!!森が…僕を殺そうとして…逃げようとして…突き飛ばしたら…柵が壊れて…僕は悪くない!自分を守ろうとしただけじゃないか!お前に何がわかる!!
■…本性が出ましたね…保身…保身…保身…森さんを殺したじゃないですか…
○僕は殺されかけたんだ!殺して何が悪い!!死ねって言うのか!!
■坂本さんも…森さんも最低です…自分の事しか考えてない…だからお兄ちゃんは逃げたんです…全部…全部自分の責任として…
○逃げた…?さっきから何を言って…あ……そんな…
■わかりましたか?わかってくれましたか?お兄ちゃんは逃げたんですよ。もう、この世界から消えるために…森さんや坂本さんから逃げるために…自分がやった事にして…名前も全部変えるために…警察に逃げたんです…
○そんな…どうして…
■坂本さんが殺しに行くからです。
○………
■お兄ちゃんを。殺しに行くからです。
○………
■多分…坂本さんは…怖がっていると思う。あの事件の関係者と言うのがばれる事を。保身を一番に考える人間です。坂本さんは…逃げるんです…
そして…森さんを殺したように…自分に正当性を作って…殺すんですよ…最低です…殺すなら…正々堂々と殺せば良いじゃないですか…そうしてくれたら…お兄ちゃんは…この世界に留まってくれた。
○………田中は…僕が…森を殺した事を知っているんだな…
■気がついていると思います…でも…証拠は無いし…あれは自殺だって事になってますから…何も無いですよ。お兄ちゃんに…近づかないでください。近づくな。許さない。それだけは許さない。だから…帰ってください…もう関わらないでください…お兄ちゃんが…坂本さんの事を誰にも言わないってわかったでしょう?
だったらもう良いじゃないですか…お兄ちゃんは…自分が起こした犯罪でも無い…自分が殺した人のことでもない…何もできなかった事、動けなかった事を償うために生きている。生きているなんて言えない。死んでいる。生きるために死んでいる。生きていたら何もできない。多くの人が触れにくる。坂本さんみたいに。だからお兄ちゃんは肉体が消えるまで死んでいなきゃならないんです。私も…同じです…だから…そう決めた。死にながら生きるって決めたお兄ちゃんを守るのは…私なんです…
○…田中は…そんな…田中は…僕の事を…嘘だ…嘘だ!嘘だ!!!
■お兄ちゃん、坂本さんについても言ってましたよ。「坂本は関係ないから。僕と森だから。怖がってるだろうな」って。坂本さん、あなた…今…自分の意思で、自分の判断で…自分の人生を生きているつもりになっているでしょう?違いますよ。お兄ちゃんが…あなたを生かしたんですよ。その理由はわからない。本当の事を言って…森さんの事も…全部言えば…こんな生活を送らなくてよかった。
お母さんは狂わなくて良かった。お父さんも壊れなくて良かった。私も…普通に生きることが出来ていた…
なんで…坂本さんは…多くを語らなかったんですか?なんで肝心な所で黙っていたんですか?坂本さんに少しの勇気があれば、森さんのお母さんとのことも…勇気を出して断っていた…こんな事にはならかなったんですよ?
坂本さんの勇気の無さが…転がり始めて…一つの流れになって…全部を…流してしまったんです。最初は本当に小さな小さな出来事だったでしょう。ちょっとしたヒビだったんです。それがどんどん大きくなって…
修理できていたヒビが裂け目になって…それでも直せていた。それでも直さなかった…坂本さんは…ばれるのが怖かったから。日常を失いたくなかったから。
ねえ?わかります?何人の人間を地獄に叩き落としたかわかってます?坂本さん。教えてくださいよ。どうして…今…人の話しを聞いて回っているんですか?あなたはインタビュアーじゃないですよ。あなたがインタビューされる側じゃないですか?
そして…何よりもずるいのは…坂本さんはわかってやってるでしょう?
○……何を…?
■とぼけるんですか?
○…何をだ。
■聞いている限り…人は話し続けるんです。その人を知るために、引き出すために。そこで話さなかったら…そこで終わる…話さないまま…聞き続けて…自分は他人だって思い込もうとしているんですよ。
一番の…一番の中心じゃないですか…返してください…お兄ちゃんも…お母さんも…お父さんも…私の人生も…返してください…
○…どうすれば…
■……
○……どうすれば良いんだ!もうあの事件は終わったんだ!森は死んだ!田中も生きながら死んでる!?それで終わったんだ!!終わったんだよ!!!なのに…ずっと怖いんだ!!!いつか誰かが嗅ぎつけるかも知れないんだ!
知っている人間が居る限り…嗅ぎつけるかもしれないんだ!!
まともに生きられると思ってるのか!僕だって…あの事件からずっとずっとに辛いんだ…ずっと…逃げているんだ…森の最後の顔、「え?」みたいな顔をしていたのが忘れられない…この両手の感覚が忘れられない…あれは…事故だ…事故…僕はずっと追われている…事件に、あの街に追われ続けているんだ…
■坂本さんがどれだけ悔やんでも。辛くても、それを私の前で言いますか?こう言うのも悪いですけど、私達の思いから比べたら全然大したことないですよ。もっと…もっと苦しんで欲しいくらいです。
坂本さんはまだまだ苦しみ足りてない。どれだけ、どれだけ苦しんでも私達の足元にも及ばない。
主役になれると思っているんですか?物語の主役に。悲しいことを通過してきたって言うんですか?物語の中心になれるような?全然そんな事ないですよ。
聞くことで…自分の都合の良い事を集めていたんですよ…どうして最初に私達の所に来なかったんですか?
どうして遺族の所には行かなかったんですか?どうして遠くの人ばかりに話しを聞くんですか?そこに全部…坂本さんの思いが入っていますよ。
逃げているんですよ。中心になる事から。あなたが作った悲劇なのに、あなたは観客でいようとしている。それが許されると思ったのですか?どうして?なんで中に入らなかったのですか?
遠くから…石を投げつけるように私達の事を見ていて…川上綾子が私だったらインタビューに来ていなかったでしょう?
坂本さんは…私達に触れたら…物語から逃げられなくなる。ギリギリで物語に入ってこなかった。逃げていた足を物語に掴まれたんですよ。
諦めてください。もう坂本さんは部外者じゃないです。私達です。坂本さんは私達になったんです。
○ふざけるな!一緒にするな!現に僕は…関係ないじゃないか!!田中もそう言っているんだろ!!そうだ…田中…田中はどこだ!どこにいるんだ!!
■お兄ちゃんを渡すものですか!!殺すんでしょう!!!お兄ちゃんを殺して!!!その次には私を殺しますか!?殺すんでしょう!?大声だしてやる!!
坂本さんは人殺しです!!そんな人の前にお兄ちゃんを…出せるはずがないでしょう…ううん…坂本さんだけじゃない…この世界の人は誰もがお兄ちゃんの世界を壊そうとする。お兄ちゃんは…ただ静かに…死ぬまでの間…生きていくだけなのに…やってもいない事件を受け入れて…殺してもいない遺族に…
本当の事を話したらまた色んな人が、家族のみんな、それに多くの人。この事件に関わった人に迷惑がかかる。それが…お兄ちゃんにはそれが嫌で仕方ないんです。お兄ちゃん…なぜ坂本さんをかばったのか…森さんをかばったのか…殺されると思っているはず…そう…お兄ちゃんは坂本さんや世間に殺されてしまうはずなんです!!だから私が守るんです!!邪魔をするな!!お兄ちゃんに触れるな!!私達に触れるな!!!触れさせない…触れさせない…
○田中は…どこにいるんだ…教えてくれ…
■言えないわよ!!でもね…お兄ちゃんはやっと静かになれたの。あ?殺してないわよ?坂本さんみたいに私は逃げない。私はお兄ちゃんと一緒に過ごすから。人を殺して終わりにするなんて本当に最低…私は…人殺しなんて…絶対にしないから…お兄ちゃん…お兄ちゃんを普通に戻すの…お兄ちゃんをこの世界に生き返らせるの…だから…邪魔はさせない…お兄ちゃんね…ずっとずっと謝っているの。私がね?全部伝えたら…お兄ちゃん…この世界で生きていけなくなったの…
家族の事とか…遺族の事とか…色んな…クラスメイトとか…あの街に住んでいた人の事を伝えたら…お兄ちゃん…久しぶりに…この世界に戻ってきたの…でも…そこから…ずっとずっと閉じこもっている…
あんな工場で働かせるんじゃなかった…施設から出てきた後…ずっと私が…お兄ちゃんと一緒に居れば良かった…色んな人…下品で…デリカシーの無い人が多くて…そんな人に触れて…お兄ちゃんは壊れていったと…自分の居場所が無いって感じていたと思う…だから…私はお兄ちゃんを探したの…ずっとずっと探していたの…
やっと見つけたお兄ちゃんは無理をしていた…こんな少し姿は見えるようになっていたけど…それは嘘。全部嘘なの。お兄ちゃんは弱くて一人では生きていけないの。だから私が守るの。私が…お兄ちゃんを悲しみも苦しみも無い世界で…治るの待っているの…この世界は危険で一杯だから…坂本さんとか…色んな人…お兄ちゃん…工場の人は良い人だとか…まじめに働いて償いたい…とか言っていた…でもそれは嘘。そんなはず無いもの。だって事件なんて起こしていないんだもの。
お兄ちゃんも逃げようとしている…事件を起こしていないのに…起こしたことにして…そんなの…許されるはず無いじゃない。
私達…なんで苦しまないといけないの?おかしいじゃない。お兄ちゃん…このままだったら卑怯者になってしまう…周りの…部外者ぶった…坂本さんみたいな人になっちゃう…だから…私が…この世界に…引き戻してあげないと…
○おい…まさか…
■なによ。坂本さんが私に意見するの?坂本さんは部外者なんでしょ?黙っていてもらえる?触れる事に恐れて外野から見てるだけ。坂本さんみたいに中心にいた人が幸せで…お兄ちゃんみたいな…弱くて…可哀想な人が…中心地…これって逆ですよね?どう考えても逆ですよね?お兄ちゃんは赤ちゃんなの…私はそれなりに社会でやってきた…名前も…田中じゃなくなったから…思っているより追求されなかった…
だからこそ…多くの人、部外者の失礼な言い分とかに苦しめられてきたけどね…最初はみんな私に気を遣ってくれていた。妹だから、中心にいたから。でもね、お母さんの名前になって…あの街じゃないところに行くとね…感じるの…悪意を…みんなお兄ちゃんを憎んでいる…その家族、私達を憎んで笑っている。私達が血を流すのを求めている。
本当にひどかった…私ね、何も知らないふりをして「こんな犯罪者…苦しめばいい」って言ってみたの。会社の上司に優しくて子供が三人いるおばさんに。じゃあなんて言ったと思う?「何言ってるの川上さん!自分の子が…あんな風にされたら…死んでほしい!死んでほしいわよ!死刑よ!あんな犯人の家族はろくな人間じゃない!家族ごと…いなくなってほしい!」ってね?何言ってるのよって感じね?家族が目の前にいるのにね?
結局みんなそうなの。そう思っているの。私達は供物なんだなって実感できた。人が人として正しくいるための供物なの。だから私達は苦しみ続けないとだめなの。お兄ちゃんは苦しみ続けないと駄目ったってみんな思っているの…
それで…もしお兄ちゃんが…本当は被害者だって。巻き込まれた人間だってわかったらみんなどうなるのかしらね?私達に謝ってくれるのかしらね?そんな気持ち持たないんじゃないかしら?お兄ちゃんが犯罪者だって思っている。でも違った。じゃあ普通、人ってどんな反応すると思う?全部俯瞰で、坂本さんみたいに外から眺めるようにお兄ちゃんの事を見ていた人って何を思って何を感じるんだと思う?多分ね「嘘だ」って言うの。坂本さんがね。さっき言ったみたいに。「嘘だ」ってなんだろうって思う。それって自分が正しいって思っているから出てくる言葉じゃない…なんで…何も知らない人が…全部知っているように考えるの?私達の事を…わかっているように考えるの…?そんな恐ろしい人ばかり…そんな怖い人ばかり…だから…もう…お兄ちゃんを…そんな人たちに触れさせないって決めたの…もう一度…お兄ちゃんを…育て上げるの…私が…何の間違いも無く…教えてあげるの…
ずっと話しかけている。ずっと事件の事を、周り人の苦しみを伝え続けている。お兄ちゃんはやめてやめてって言う。でもね、これはしょうがないじゃない。お兄ちゃんを守るためだから。私達に勝手に触れて、勝手な思いを膨らませて、勝手に想像している人…そんな一番悪い人たちから…お兄ちゃんを守るために…
○…綾子ちゃん…田中を…どこかに閉じ込めているのか…?
■閉じ込めているなんて言うな!!!私は…私は…お兄ちゃんの家族だから…みんなおかしくなってしまって…私だけが…普通の…お兄ちゃんの事を一番に思っている家族なんだから…十年以上犯罪者の妹として生きてきた…最初は少し悩んだ…お兄ちゃんは無実だって叫んだ。でも…誰も信じてくれないの。だったらもう私もこの世界を、誰も信じない。
私が信じることだけをやる。私は信じている。お兄ちゃんが生まれ変わって、元に戻って、もう一度「綾子!ご飯でも食べようよ!」って言ってくれるのをずっと待っている。私が何もしなかったと思っているでしょう?違うわよ。私は坂本さんと森さんと一緒にいるのをやめろって言った。必ず嫌なことが起きるって思っていたから。
それにお兄ちゃんがやってもいない事で警察に行って…それで自首じゃなくて捕まったことになったって…逃げていた事になって…私は無実って知っていたから…支援者の人と話して…無実を訴えたわよ。でも誰が聞いてくれた?警察?裁判官?マスコミ?だれも聞かないわよ!!支援者の人も何も聞かない。あの人たちって凄いわよ?お兄ちゃんを自分を美化する道具として使っているの。「私達は戦います!」って何言ってるの?って感じ。私達が戦っているのよ。あいつらは自分が正義の味方になれると信じてる。
正義の味方になるためにお兄ちゃんを使っている。周りに居る人たちと同じ…自分が正しいってことをしめすためにお兄ちゃんを使っているだけ。
最低よ…本当はお兄ちゃんがやったとかどうでもいいの。もしかしたら本当にお兄ちゃんが事件を起こしているって方が喜んでくれるんじゃないかしら?最低…本当に汚らわしい…お兄ちゃんが施設がから出てきた時にね…支援者の人たちが来たの。でもね…笑ってるのよ。「出てこれて良かったですねえ。戦いましょう」って笑ってるの。
殺そうかと思ったわよ。あの人たちはもう一度お兄ちゃんを使って自分の正義を確かめようとしている。許せない…そして…怖い…あんな怖い人がこの世界に無数にいる…
■狂ってる…
○でしょ~?周りの人は本当に狂っている…私達の心なんて考えてもくれない。だって私達は加害者だから。加害者本人、お兄ちゃんには行かないのよ…多分怖いんでしょうね?殺されるって思っているんでしょうね?バカな話しよね…お兄ちゃん、誰も殺して無いのに。
■君が狂っている。綾子ちゃん。田中はどこだ。教えてくれ。会わせてくれ。
○私のどこが狂ってるのよ!!お前も周りと同じ事を言うのね!!……ああ…もう…悲しい…どうして?どうして誰もそっとしてくれないの?お兄ちゃん…今、一人でトイレも行けないの…心に閉じこもってしまって…だから私がいないと駄目なの…
お兄ちゃんのオムツを替えて…それで…私がお兄ちゃんのお母さんとしてこの世界での生き方を教えてあげるの。私とお兄ちゃんのお母さん、駄目なお母さんだった。ずっとお父さんに服従しているだけのお母さん。そのお母さんを殴っていたお父さん。一緒に殴られていたお兄ちゃん。お兄ちゃん…ずっとずっと自分が悪いって思っているの。でもね、わかったの。それは悪い事。それが悪い事。お兄ちゃんは逃げている。卑怯者。だから…これはチャンスなの。お願いします。坂本さん。もう何も見なかった事にしてください。
私も…お兄ちゃんが坂本さんの事を警察に言わなかったのだから警察に言いません。私達が黙っていれば…坂本さんは何も無いじゃないですか。部外者でいられるじゃないですか?だからこれで終わりにしましょう?
もうここでこんなインタビューは終わり。坂本さん。お兄ちゃん殺したかったでしょう?その必要も無いんです。
これからも…お兄ちゃんが作ってくれた…普通に生きる道を普通に歩いてください…お願いします…
○田中と…会う絶対に会う…田中は…なぜ…僕を守ろうとしたのか…聞かないと…会うからな。
■だから…会ってもどうにもならないですよ…お兄ちゃんを苦しめたいんですか?
○綾子ちゃんは間違っている。
■さっきまで人のお兄ちゃんを殺そうとしていたクセにそんな事言うんですね?それに人を一人殺している犯罪者が…あ、そっか…裁判で有罪って決まっていないから犯罪者じゃないんでしたっけ?だから外野でいられるんですよね?
○田中を閉じ込めて…綾子ちゃんが思う形にしてどうするんだ。どうにもならない。田中をどうしたいんだ?
■私はね、お兄ちゃんが大好きなんです。大好きだったお兄ちゃんに帰ってきてほしい。それだけ。
○こんな事をしたら…田中は…もう…本当にいなくなってしまうぞ。
■いなくなんかならないわよ。そう言う所きちんとしてますから…心配しないでください。
○………どう言う事だ?
■お兄ちゃん…最初…逃げようとしたんです…私がこんなにも愛して…人の道を歩かせてあげようとしているのに。逃げようとするんです。まだ逃げるんですよ?多くの事から逃げてきてこんな状態になったのに…まだ逃げるんですよ?信じられます?
だから…逃げられなくしただけです。
○まさか…
■だから殺して無いですよ。大好きなお兄ちゃんを殺すと思いますか?何度も言いますけど…そんな事はしないです。でも…ちょっと…あんまりにも事件のことを言うと大声を出したり…家から逃げ出したりするから…ちょっとだけお仕置きはしています。
○…なんて事を…狂ってる。君は狂っている。
■私が悪いんですか?私は普通です。わかったんです。普通と思っている世間の人の方がおかしいですよ。どこからともなく戻ってきたとか吹聴して…みんな自分が正しいだなんて狂った考えを持っている。今まで多くを間違えてきて、変な判断をしてきた人が自分を正しいって思っているんです。それって…一番狂っているじゃないですか…
○君も…卑怯者だ…
■どういう事ですか?
○自分で話した事を思い出せよ。全部…綾子ちゃんに当てはまる。田中を解放しろ。
■しません。絶対に。どうします?私のことも殺しますか?包丁なら台所。首を絞めるためのベルトとかだったらクローゼットに入っていますよ?やったらどうです?それで私は…やっと解放される…でもね。私を殺したらお兄ちゃんの世話をしっかりしてくださいね?
好きな食べ物はハンバーグと餃子。お水は毎日2L以上。しっかり守ってくださいね?毎日ですよ?お兄ちゃんを苦しませたら許しませんからね?
○どのくらい…そんな生活をしているんだ。
■さあ?結構長い間ですね。あの工場を辞めてからですから。でもね、最初…私が「お兄ちゃんと一緒に住みたい」って言った時…久しぶりに嬉しそうな顔を見れました。あの笑顔、あのお兄ちゃんの笑顔があれば私はずっと幸せなんです。その幸せを今後もずっと。ずっとずっとずっと続かせたい一心なんです。
だからもう良いじゃないですか?私達は…幸せなんです。
○田中はどこにいる。
■触れるんですか?今まで避けて来た存在に触れるんですか?受け止め切れますか?ねえ!受け止め切れるって聞いてるのよ!!あんたらが作った訳わかんねー宗教で!お前が友達のお母さんとセックスなんかするから!!あんたら二人で張り合って、3Pでもしてりゃ何も起きなかったのよ!!
もう責任も取れないのよ!!もう…全部…全部…手遅れなんだから…もう…手遅れ…何も…元に戻らない…ううう…うううう…お兄ちゃんも…帰って来ないかもしれない……もう…嫌…辛い…なんで私に会いに来たの?お兄ちゃんに会いに来たならちゃんとお兄ちゃんを見つけてよ…もう嫌…何をどうしたら良いの?
私は幸せになっちゃいけないの…?もう…何が正しいのか…わからない…私は正しくないの…?できることを…できることをやっているだけなのに…これ以外どうしろって言うのよ…私達…ずっとずっと…色んな人に触られて…傷つけられて…そのまま…死ねずに生きなきゃならないの…もう…どうして会いに来たの…?こんな話しをしなかったら…私は何も考えないで…お兄ちゃんと私の幸せだけを考えて生きていけたのに…ひどい…全部台無し…坂本さんがいるから…来たから…全部台無し…坂本さんなんて…居なければよかったのに…どうして生きているのですか…?どうして…人を殺して…生きていられるのですか?死んでよ…死んでよ…私達の不幸を楽しんで…どうして幸せそうに生きていられるの…?
○綾子ちゃん…落ち着いて…田中を解放しろ。そこからだ。囚われている。僕も綾子ちゃんも…あの街も…そして周りの人もみんな囚われている…解放しよう。自由にするんだ。その自由は怖い。何が起きるかわからない。でも…だからと言ってこのままだったら…全てが駄目になる。まだ大丈夫だ。
田中は生きているんだろう?綾子ちゃん…君はこっち側…僕や森の方に来ちゃダメだ。田中を…真っ当な方法で支えてやってくれ。
■もう…戻ってこない。私の時間もお兄ちゃんの時間も…それに…お兄ちゃんが殺したことになった人の遺族も…今さら…お兄ちゃんが犯人じゃなかったらどうなるの?森さんが殺していた…それがわかって何になると思う…?遺族の人は…壊れてしまう…今まで憎んで、多分私のお兄ちゃんを殺したくて殺したくてしょうがなかったと思う…そんな人たちが…「本当は犯人は別の人です。そしてその人は死んでいます」ってなったら…どうなるの?
もう無理なの…また…多くの人が私達の傷口を広げに来る…また多くの人がニヤニヤしながら私の心に入り込もうとしてくる…また多くの人が…お兄ちゃんを使って…自分の居場所を確かめようとしてくる…色んな人が好き勝手に言っていたでしょう?インタビューで…怖いとか…何を考えていているのかわからないとか…みんな勝手すぎるの…みんな…自分にとって都合の良いお兄ちゃんでいてほしいのよ。坂本さんからしたらお兄ちゃんはどんな人ですか?
坂本さんを特別にしてくれましたか?良かったですねえ、お兄ちゃんがいて…それで…今この状態で…自分は特別だと…思えて…
○違う。そんな事は思ってない。僕はどこまでも…普通なんだ…普通に怖がって…普通に…逃げて…普通に…誰かを傷つける…普通だ。僕は普通なんだ。
■じゃあ…お兄ちゃんは…普通じゃなかったんですか…お兄ちゃんは…異常者なんですか…もう…私は…あの街の何かに当てられる事で…周りの人の気持ちを知る事で…普通に戻れなくなってしまった…それはそれで良いと思っていた…どうして引き戻すんですか…私は…もう…どうやって…何をして…何を信じて…何を恨んで…何を信じて生きていけば良いんですか…
責任とってください…こんな風に…また遠くから傷つけて…責任をとってください…もう…戻ってこない…全ては起こってしまった…だから…もう…坂本さんが終わらせてください…
○…そんな…そんな…
■まだ部外者で居るつもりですか…向き合ってください…本当に…誰が何をしたくてあんな事になったのですか…?誰も何もしなかったからじゃないですか…だったら…最後くらい…手に届くところにある内に…触れてください。そして感じてください…
○………
■…坂本さん…助けて…私達を…助けて…
○田中は…
■…
○田中はどこにいる…?
■…………
○教えてくれ。
■…………
○僕は触れる。田中に、この事件に。あの街に触れる。約束する。教えてくれ。
■…家です…
○…家?田中が住んでいた…まだ…あるのか…?
■…はい…周りは…みんな引っ越して…でも…すぐにわかるはずです…
○…なんで…なんであの街に…
■………戻れると…思ったから…
○綾子ちゃん。大丈夫だ。戻れる。戻してみせる。わかったから。
■わかってます…もう…もう戻れない…私が…戻れなくしてしまった…最後に…叩きつけてしまったんです…もう戻れない…どうして人間って追い詰められたら一番やっちゃいけない事をするんでしょうね…どうしてそれだけはやらないでおこうと思った事をやってしまうんですかね…ああ…私が見ていた夢は覚めてしまいました…坂本さん…坂本さん…
○綾子ちゃん?どこに行くんだ?綾子ちゃん…??
■…………
○綾子ちゃん?どうした!?綾子ちゃん!!
■…………う…うう…あっ……あっ…あっ
○綾子ちゃん、鍵を開けて!綾子ちゃん!!!開けるんだ!!何しているんだ!!!開けろ!!開けるんだ!!
■あっ………あっ…お兄ちゃん…あっ…ごめんね。あ…ああ…
○開けろ!!バカ!開けろ!!!何やってるんだよ!!行くなよ!!一人にしないでくれ!!折角触れられるんだ!!開けろ!!バカ!!君が!!綾子ちゃんが逃げてどうするんだ!
■……………ああ………
○くそ…くそ…うわあああああ!くそ!くそ!開けろ!!開けろ!
■…………何も…
○おい!開けろ!!開けろよ!!
■………こぼれてしまった…
○よし!もうすぐだ!!クソ!クソ!!クソ!!!
■………もう辛い思い…したくないから…良いんです…私は良いんです…
○………なんで…なんてことを…そんな…動かないで!クソ……なんで…
■……もう良いんです………私………そっち側だから…あんな事…あんな酷い事…してしまった…大切なお兄ちゃんに…………もう良いんです………
○だめだ!ほら!!押さえて!!しっかり!!あ…救急車…あ…ああ…もしもし!あ…え…?あ…救急です!!救急です!!首を…首をカミソリで深く切って!!え!?知らねえよ!!さっさとこいよ!!今は…タオルで!!ああ…綾子ちゃん!?ちょっと!!どうして!目を開けてよ!!早く来いよ!!
■……………
○おい!ふざけんな!!僕は…どうすりゃ良いんだよ!!え!?もしもし!?死にそうなんだよ!!心臓マッサージ?え?何?救命措置?え?うるせえ!わかんねえよ!クソ!クソ!!ああ…もう!!ああ…綾子ちゃん!!!綾子ちゃん!!
■
○だから!早く!!!早く…ああ…そんな…そ
~メモ~
田中は家にいる
綾子ちゃん生きててくれ。
触れる。逃げないで触れる。そこにいるのはわかった。
田中はどんな目で僕を見るんだろう。綾子ちゃんはどんな目で僕を見ていたんだろう。
そして、森。森はどんな目で僕を見ていたんだろう。
何をどう考えても想像でしかない。今まではその想像の中で痛みに恐れて。感じてもない痛みを恐れていた。
何が正しかったんだろうか。誰が正しかったんだろうか。
僕はまだ田中を殺したいのだろうか。
何も考えられない。
僕はどうしてこのインタビューをはじめたんだろう。怖かったからか。逃げたかったからか。田中を殺したかったからか。
僕は僕の責任から目を背けていた。僕が生きているから女の子が死んだ。森が殺した。何人も死んだ。
誰の心も晴れてない。ずっとずっともやが包み込んでいる。
触れる事で晴れるのだろうか。晴れたところで何が見えるのだろうか。
今まではそこまで考えて止まってきた。
触れなければいけない。インタビューなんて何の意味もない。
でも、完成させなければならない。僕は誰なんだ。僕はなんなんだ。
完遂させないと。完成させないと。僕が溶けて流されいく。僕が少しずついなくなっていく。
つなぎとめないと。誰のために?遺族?田中の身内?先生?僕?
もう良いんだ。行為は純粋な行為だ。
田中。君はなんだったんだ。森。君はなんだったんだ。
僕はなんだったんだ。
触れる。触れられるのか。触れたいのか。
思いはいらない。
触れにいく。
待ってろよ。
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