概要
全てはあの子を取り戻すため。だから──。
──数カ月前、夕方。小さな命が奪われた。奪ったのは、残酷な子供たち。見て見ぬふりをしたのは、ひとりの教師。それは、地方紙にも載らない、取るに足らない事件だった。
それは、あるひとりの心に、耐え難い火をつけるには、十分だった──。
英語教師久我晶子は放課後、生徒の飛び降りを目撃する。そして遺書に書かれた『3』の文字に、晶子は驚愕する。二年前に電車に飛び込み亡くなった自身の娘・愛理の遺書にも『2』と書いてあったからだ。
だが、それは始まりに過ぎなかった。
この高校で立て続けに起こる、謎の惨劇の──。
それは、あるひとりの心に、耐え難い火をつけるには、十分だった──。
英語教師久我晶子は放課後、生徒の飛び降りを目撃する。そして遺書に書かれた『3』の文字に、晶子は驚愕する。二年前に電車に飛び込み亡くなった自身の娘・愛理の遺書にも『2』と書いてあったからだ。
だが、それは始まりに過ぎなかった。
この高校で立て続けに起こる、謎の惨劇の──。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!あの子とは……結局最後の最後まで、分かり合えなかった
全て読み終えさせていただきましたが……実に心地よいカタルシスに包まれています。
それもこれも、解決に至るまでのスリルある謎がこれでもかというほど畳みかけ、その上で中盤でやっと手に入れられた一つの光明、そこからの怒涛の展開……話の展開が見事なためだ、と言わざるを得ません。
途中挟まる母親としての苦悩や女性としての生々しい劣情、教育者としての心苦しい心境など、細やかな心理描写によるアクセントが要所要所で光っているのも、主人公の人間性の解像度が高まっていって、実に感情移入がしやすいです。
各お話のサブタイトルも実に良く考えられ、統一感あるものになっているのがまた見事です。
こういった統一感がある…続きを読む