四人目~聖戦士@ボクの血は凍っている~

■DM来た時はびっくりしましたよ…あの…いや、なんでも話しますけど…なんで僕なんですか?


○色々とネットで検索していて、何度も殺人予告で補導されていたあなたに興味を持ちました。ツイートの内容にもウドルカルマに触れた物が多いですよね?四肢を外し魂を開放するとプロフィールに書かれていたのも理由の一つですね。


■ふふふ…でも…僕の話を聞いてくれるって本当に嬉しい。そう、僕はあのお方を心から、心から尊敬しているんです。あのお方は…本当に…凄いと思います。あなたも…あのお方と一緒に居た方と…話せるなんて…僕は…本当に嬉しいです。ずっとずっとウドルカルマの人と会いたかったんです。

僕…変わってるでしょ…?中学生で…ナチス好きだし…連続殺人犯もかなり好きなんですよ…だから周りの低俗な仲間と合わなくて…やっぱり…僕には何か特別な物があるんですよ。それはあのお方もそうだったんじゃないかなって思うんです。凄いなあ。あなたも…人を殺した事あるんですか?尊敬します!なんでも命令してください!僕の中学校に…不良の女がいるんです。そいつは僕をいじめてきて…その女はよく家出をするんです。うまく誘拐すれば…バレにくいし…また教義の元に魂の解放を実行できますよ!


○えーっと…聖戦士…アット…僕の血は凍っているさん…とお呼びすれば良いですか?本名じゃなくても良いのですけど、もう少し呼びやすい名前で呼びたいですね…


■あ!ごめんなさい!僕…ちょっと変わってるから…ふふふ…じゃあ…ブルートって呼んでください。僕、ウドルカルマに入ったらブルートって名前で活動しようって思っていたんです!ドイツ語で…血って言う意味なんですよ。


○そうですか。でも、なぜ彼やウドルカルマが好きなのですか?


■…やっぱり…さっきも言ったけど…高尚なんですよ…ウドルの教義は…本当に素晴らしいと思います。あなたもそうですけど…よく僕と同年代の時にあんな事を…実行したなあって思って…感動しました!まあ…僕も似たような物を考えていたんですけどね…ふふふ…クラスメイトの…クラスメイト?たまたま運命の一部分を共存した…低俗な人間達ですけど…彼等の血を…この世界の悲しみに捧げようって思っていたんです…ふふふ…それに…政治家やムカつく生主に殺害予告したのも…ふふふ…本気だったんですよ…?ほら…僕…ちょっと…狂っちゃってるから…?


○はい。自分では何か団体を作ったりはしていないと。


■…そうですね…お恥ずかしい限りです…ウドルカルマから僕を訪ねてくださったお方に…こんな情けない事を言うのも…お恥ずかしい限りですが…一人だと…どうやったら良いのかわからなくて…でも…ずっと…構想はしているんですよ…ふふふ…一人だと…そんな事ばかり考えてしまうんです…やっぱり…ウドルカルマの人から見ても…僕って…「ヤバい」…ですか?


○そうですね。それで、今までの殺人予告やスーパーのパンに針を入れるなどはウドルカルマの教義に則ってやったと?


■はい…今…中学生でウドルカルマの教義を…実践しようとしているのは…僕だけですよ…昔から、昔から変わってるって言われてきたんです!それで…周りの低俗な人たちと全然違うって自分でもわかっていて…ここから先、つまらない大人にならない為にも…ウドルカルマの教義を…実行したいってずっとずっと考えていたんです。ウドルカルマを喜ばせないと…暴力と理不尽を捧げないと…って思いながらずっとずっと毎日過ごしています!信徒も増やそうと…学校でも何かありそうな…そう、僕と同じ高尚な人間を誘ったりするんですけど…信徒を増やさないとって思っているんですけど…うまくいかなくて…もちろん…秘密は守っています!秘密を守らないと…血の制裁が待っているんですよね…

でも…お母さんにはバレてしまったみたいで…いつも「そんなつまんない事やんないで学校行きなさい!勉強しなさい!」って言うんです…申し訳ないです…お母さんにも…血の制裁を…するべきですよね…そうだ!それを実況します!実況教義!どうですか!?信徒も…増えますし!!


○なるほど。ええっと、ブラットさん?ああ、ブルート?彼の事はどう思いますか?やはり…高尚ですか?


■そうですね…Twitterとかでも…ずっとずっとあのお方の事を書いて…僕…初めての人はあのお方って決めていて…この体も心もあのお方に捧げたいって思っているんです。でも…あの…あなたにも…あなたにも認めていただけるなら…この体は差し出します…だって、低俗な人間に触れられる位なら…ウドルカルマを作った方に…この体…味わって欲しいです。そうする事で僕も魂のステージが一つあがると信じているんです!

でも…正直…全てを捧げて…僕の体から魂を解放するのは怖いです…いえ!あの!違います!怖いのではなく…ウドルカルマの未来を見ることができないのが…あんな、あんなのどうやって作ったんですか?みんな…何かの天才だったんだと思う…悪い事なんて一つもしていない…大きな力がウドルカルマを引っ張っていったんじゃないかって信じています!僕もその大きな力の中に入って…一つになりたいんです…

僕…同じクラスの子に比べて…胸も大きいし…僕を…貰ってください!ウドルカルマと一つにしてください!花開いた…女の…血を求める…その教義に則って…


○はい。服を着てくださいね。ブルートさんは学校では馴染めないと。それで色々とネットで検索してウドルを見つけたと?それは別に思春期だったら誰だってやろうと思うんですよ。でも、ブルートさんの場合はネットでウドルカルマに関連付けて殺害予告とかしているじゃないですか?それも教義に則った行動なのですか?


■世界を混沌に染め上げたいんです!学校も…先生も…みんなも何も特別な事が無いじゃないですか。だから…そこで特別な僕がこの世界を…同じ特別なウドルカルマの教義で…世直しです!僕は…世直しがしたいんです…いじめられたとか…親と上手くいっていないとか…たしかにそれはありますけど、それは理由じゃないです!僕は何も出来無いつまらない人間じゃないんです!何か出来る…そう、特別な…それこそ…高尚な、別次元の人間として…大人になりたいんです!

ウドルカルマに入ったら毎日が楽しいんですよね?良いなあ…ウドルカルマでは…毎日何をしていたんですか?やっぱり…動物を殺したりとか…していたんですか…?僕…なんでもやるつもりですけど…猫だけは…猫だけは殺せないかもしれないです…本当にごめんなさい…僕…猫と話せるから…

でもそれ以外はなんでもやります!皆さんで…僕の初めてだから出る血を…飲んだりしてくれても良いです!いっぱい本とか読んでるから…何をするか知ってます!

でも…本当に凄い人が…凄い人が作ったなあって思うとドキドキするんです。一緒に作った方…あのお方以外は…どんな人だったのですか?


○どんな人…?


■はい!気になるんです!人生においても…やっぱり…エリートが…作り上げたんですよね…あのお方は権力に捕まってしまってから何もメッセージを世界に発信しないけど…あなたは…このメッセージを世界に発信するんですよね!?そのメッセージ…待っている人がいるんです!早く何とかしてください!

私…あなたも…凄いと思うんです…だって…一緒に居たんですよね?それで…あなたも人を殺したんですよね!?それでバレないって凄い…ウドルの加護って…本当にあるんですね…早く僕を連れて行ってください!こんな世界もう嫌なんです!早く…早く楽になりたい…


○楽に?


■はい…楽になりたいんです…生きていても楽しい事は無いだろうし…僕は普通の子と違うから…だからここではない所で自分ではない何かになりたいんです…それが、普通じゃない世界に連れて行ってくれるのがウドルカルマだと思うんです…あ!お話しが途中になってしまいましたよね?ウドルカルマ…どんな人が作ったんですか?天才が集まらないと…あんな…あんな高尚な団体は…できないですよ…


○………あのね、ブルートさん。私達はね、そんな存在じゃないんだよ。ただ学校に馴染めなかった三人が作ったんだ。それもブルートさんみたいに極度に馴染めなかったタイプじゃない。学校は楽しかった。相手にはされなかったけどいじめられることも無かった。

それに三人でいろんな遊びを開発したりしていたからそれなりに充実していたんだ。


■その遊びって!やっぱり…動物をバラバラに…


○してないよ。それはあの事件が世に出て彼が捕まった時に誰かが言ったんだ。少なくとも私がいた時には何も起きてなかった。それに私はDMでも伝えた通り、作って少しみんなと一緒にいた後、すぐに抜けたんだ。


■はい…でも気になって…なんで…なんで作ったんですか?


○………遊びだよ。たいした理由はないよ。多分ブルートさんはウドルカルマに逃げている部分があるよね?満たされない現状を当てはめたりして。


■はい…それは…あると思います。


○それと同じかもしれないね。私達はね、ただ逃げたんだよね。最初の気持ちは君と同じかもしれない。それで…自分と同じ価値観の人間が集まって…「自分たちこそ素晴らしい!」みたいな団体を冗談で作って…それで慰めていたのかもしれないね。何も無い自分を。自分たちを慰めていたのかもしれない。

こんな事はメディアにも言わなかったな。そう、このインタビューを重ねて来て色々見えてきたんだよね。結局ウドルカルマ、あの事件、そして彼…それらは一体なんだったのかって考える時間が凄く増えた。

今回ブルートさんにインタビューをしたのもね、何となくなんだよ。単純に「ウドルカルマ」で検索したらまだネタにしている人がまあまあいた。その中でちょっと「おや?」って何となく引っかかったからさ。

若い子にひっかかる何かがあったのかな?とか、あの事件を起こした時の彼と同年代の子がどんなことを感じているのかなと思ってコンタクトをとったんだ。最初はやっぱりびっくりした?


■はい…そうですね…びっくりしました…今までも…DMとか来ていましたけど…生主さんとかボカロPの人とか…そんな人とばっかりDMしてたから…でも…ウドルカルマで反応してDMなんてきたことがなかったから…だから…僕、チャンスだと思ったんです…!やっと…どこかに連れて行ってもらえるって…ここじゃないどこかに…


○誰もね、どこにも連れて行ってくれないんだよ。進むのは自分なんだ。それをわかっていないと人生は大変なことになるよ。

なんだか説教臭くてごめんね、この年になるとね…やっぱりそんな感じになるね。そう、私達もどこかに行けると思っていた。いびつな、宗教って言う形を通して何か別な…少なくとも今より楽しいと思える場所に行けると思っていた。でもね、やっぱり誰も連れて行けないんだよね。正確には誰も進まなかったんだよね。足踏みをしていた。それでその足踏みに飽きた私は受験って言う事を言い訳にしてそこから去ったんだよ。少なくとも、その時は何も無かったんだ。


■…じゃあ…その後に…


○その後に?


■二人は…歩みだしたんですね…


○……………


■ごめんなさい、僕、子供だからあんまりわからないけど…少しだけわかるんです!三人居ると…三人居ると…皆は…見るじゃないですか…


○見る?


■はい…僕がそうなだけかもしれないけど…………


○少し聞かせてもらえるかな?


■僕が…小学校の頃です…僕も友達がその時は居て…三人で行動していました。その時は僕もまだ…つまらない…低俗な存在だったから…普通に遊んだり買い物に行ったりしていたのですけど…やっぱり…三人って…なんていうか…ジャンケンみたいだなって思って。ジャンケンみたいに誰かが誰かに勝つって形になるんだなって感じていて…それでその時は普通なんです。誰かが誰かを見るから。監視されているというか…間違ったことをしたら二人から怒られちゃうから間違わないと思うんです。

僕もそうで…ウドルカルマの事はその時から知っていたけど、その話をしたら二人に怒られたりしたから…やっぱり黙っていたんです…でも…私が少し高尚になってグループを抜けたら…二人共…変わったんです…


○どう変わったの?


■ギャルに…なったんです………


○ギャルに。


■はい…ギャルに…びっくりしました。本当にびっくりしました。どうしてそんな方向に?って…それで…置いていかれた感じがして…そこから更に疎遠になって…今では二人はどう言う風に暮らしているのかわかりません…どこで何をしているのかも…


○…言い得て妙だけど…まあ…同じだね…うん。同じだと思う。そう、そうなんだよね。三人だと監視があるから…あまり芯はぶれないんだよね。でも二人で…その二人が…張り合ったらどうなるのか?誰も止める人がいなくなるんだよね。それは凄くわかる。もしかしたら…私は逃げたのかもね。

多分あの二人とは違う…一緒にはいられない…だから適当な理由を付けてそこから逃げてしまったのかもしれないね。そこは君と一緒だよ。私は…私は高尚なんかじゃないよ。それにあの二人も…そして…彼もね。人を殺すなんて正気じゃない。そんな事許されて良い訳じゃないんだよ。常識から外れるってだけで高尚と思うのは違うはずだよ。

別に君がどうしたいとかそう言うのはどうでも良いんだ。現に君は憧れているだけ、どの時代にもいるんだよ、異形を…ちょっと変わった人を凄いと思って追いかける人はいるんだ。それは別に間違った事じゃない。

間違っているのは彼だ。そう、彼なんだ。何が彼を間違えさせたのか?それをインタビューしながら探っているんだけど…今日は本当に…思っていた以上に自分でも多くの事に気がつくことができているよ。


■あのお方は…そう、もう一線を超えていると思います。でも…そのもう一人の人はどんな人だったんですか?


○もう一人?ああ…そうだね…そうだねえ…彼は…どうだったかな…


■やっぱり…あのお方と同じ位…すごかったんですか?


○いや、別にそこまで何かあるって訳じゃないよ。普通だった。彼も普通だった。でも、私達の中で一番それを拒絶していたのかもしれない。

人間って結局皆がコンプレックスを持っているよね?私も彼等も…コンプレックスだったんだろうね。思春期独特のコンプレックス…普通コンプレックスとでも言えば良いのかな。普通であることが耐えられなくなる瞬間があるんだよ。馬鹿にするとかじゃないけど、ブルートさんもそうだと思う。

普通が怖いんだ。普通に飲まれてしまいそうになる。そこそこの学校に行って、そこそこの会社に就職する。大人になったらそれがどれだけ大変なのかがわかるんだけど…子供の時はそこまで想像が進まないんだよね。どこか将来を舐めているんだよ。自分がその将来に見合った人間なのかを確かめる事もしないでね。

私達は完璧にそれだった。完全に将来を舐めていた。そのくせ絶望していた。もっともっと自分たちは意味がある人間だ。周りと同じなんかじゃない。そんな小さな気持ちが積もり積もって、折り重なって一つの形になったと思うんだよね。


■ウドルカルマに…


○そう、多分そうだよね。それで、普通が嫌なら普通じゃなくなろうとした。だから訳のわからない教義を作るんだ。教義、ルールって言うのは凄く不思議でね。それがどんなルールでも皆で共有していると守らないといけない空気になるんだよね。判断力を失う。三人で居るって事はその判断がかろうじてできる状態なんだ。

そして私は抜けた。教義が生まれた状態で抜けた。私はね、彼等の中ではルール違反をした事になったんだと思う。そこから全然彼等と話さなくなった。さっき君がしてくれたギャルの話と同じなんだよ。本当に小さくつまらない事が真実なんだと思う。

それから二人は私を見ると馬鹿にしたような顔をするようになった…そうだな…そう、そうだ。バラエティー番組とかで…上の方に出るワイプって画面わかる?面白い映像を見ている時の芸能人ってちょっと嫌な笑顔する人いるよね?そんな感じなんだよね。

でもそこまでしか私は知らないんだ。そこからどうなったのか?それを探しているのがこのインタビューなんだよ。


■そうなのですか…でも…あのお方じゃない人…その人が凄く気になります。その人とも…会いたいです!お願いします!


○それは無理なんだよ。亡くなってしまったから。


■………そうなんですか…


○でもね、やっぱり私はまだこの事件に向き合えていなかったんだと思う。多分まだ逃げている。インタビューを通して自分が見えてくる。多くを見ているつもりになって、大切な部分からは目をそらそうとしているんだ。

なんだろうな…何となくこう言う風に話を聞いてみたけど…私が…見えてきたな。この事件の事を。

ブルートさんもこれから色々とあるかもしれない。でもね、人は殺しちゃダメだ。もう、殺すと…戻れないと思うよ。


■…はい……。


○最後に一つ良いかな?彼は…君の言う、あのお方は…悪かったと思うかい?


■……今まで…憧れているだけでした…でも…なんだろう…悪いんだろうけど………可哀想だなって思います…


○可哀想?


■なんだろう…あのお方は凄いと思います…誰にもできない事をしたし…でも…あのお方だけではできなかったのかなって…思って…あのお方は悪い…そして…もう一人?の人も悪い…あと………その………


○何かな?


■あなたも…悪いのかなって…思って…


~メモ~

びっくりしたな。舐めていた。中学生、やっぱりもう子供じゃなくて人間なんだな。

どこにでもいるような子がかなり心理を突いてきた。あの子も普通に生きていたらそこそこ行っていたんだろうな。

もう一人、みんな気にする。→森

森、あいつは私をどう思っていた?あいつはなんだったんだ?

三人。監視。二人。加速。

森が加速させたのか?森はそんな人間か?

普通コンプレックス。普通は怖い。何故なら普通だからだ。

埋没?違う。形は無い。


森、森を避けている。やはり自分の中には色々とある。納得できているのか。

丁度森の命日が近い。墓にでも行くか。


つまらない事が折り重なっていつも大変なことになる。なんだってそうだ。石を投げたら狂犬にあたった。


しかし、それが誰かを殺すまでにエスカレートするのか?わからない。


森。彼はなんだったんだ。なぜだ。私も当てられていたのか?

大丈夫。大丈夫だ。もう大丈夫なんだ。


田中。彼は普通だった。それはもう良い。だったの奥へ。奥へ進む。


しかしどんな時代にも、こんなにも時間は経ったのにまだウドルカルマ、田中のフォロワーがいる。プリズングルーピー?

安易だな。何も変わらない。何も変えられない。だれだって自分で誰だって普通だ。異形なんていない。

異形は自然発生しない。異形は普通の異なった形でしかない。

だからわからない。どう進めばああなる?

追う。まだ追う。その必要がある。


私は、私は、悪い。

グサっとくるな。久しぶりに言われた。


しかしあの子は最初どうなるかと思ったが有意義だったな。それにマセているしそこそこ頭も良い。

あれで見た目が関取って感じじゃなかったらまた違った人生があっただろうな。

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