概要
この国には、妖怪が住んでいる。
日本国内で流行った〝ある感染症〟。それは妖怪や幽霊といった、様々な怪異が視える後遺症を残すものだった。主人公の鈴木太陽は、妹・鈴木琳子の所有者として警察署を訪れる。人間として生きてきた琳子は、その実、妖怪として太陽に登記されている〝所有動産怪異〟だったことを知る。彼女には通称浦島寺で起きた殺人事件の容疑がかけられていた。大きな隠し事があった兄妹間の不信感、琳子の殺人容疑。苦悩する太陽に、警察関係者の藤倉涼太郎が協力を申し出る。浦島寺殺人事件にはもう一組の容疑者がいるという。それは寺の住職であり被害者の夫・楠行信と、彼の所有物件怪異ブブであった。太陽は妹の容疑を晴らすために、浦島寺殺人事件の真相を探ることとなる。死因は陸上での溺死、そこらにあふれる怪異たち。人間業ではない殺人事件、その犯人とは。
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