第11話  我が生涯、一片の悔いなし!



 感極まって言い間違える事は人間、誰しもあるかもしれない。けど今のはヒドい間違い様だった。



「すいません、感極まってつい...」



 じゃあなんで頬を赤らめてんだよ。てか表情も完全にメスの顔になってるし!



⦅つまり、ナターシャ様はリーチェ様にホの字という訳ですね⦆



 一応、ボクは今世女の子なんだけど...



「では、言い直しますね。

リーチェ様、私と結婚して下さい!!!」



 ブフッーーーーーーーー!!!



 言い間違いじゃ無かった!それってつまり一目惚れしたから結婚を申し込んだって事だよね?色々かっ飛ばし過ぎだろ!しかもボク達女同士だし!



「えっと...なんでボクと結婚したいと思ったの?」



 特に惚れる要素がない気がするんだけど...



「とても可憐で、強いのに驕らず、お金に執着せず、何より【勇者教】の教義である【ノブレスオブリージュ】を笑顔で行える...私は、貴方様の様な方と添い遂げたいのです!」



 この人...泣き虫だけど芯は強い人だ!無茶苦茶押してくるし!どうしよう、良いのかな?



「ボクは良いけど...聖女の仕事はどうするの?」



 重大な役目っぽいから簡単に辞めるのって難しそう...仕事の引き継ぎとかは大丈夫なのかな?



⦅そこは私も気になります⦆



「聖女は勇者教におけるタダの役職ですので、同僚のシスターに引き継ぎが出来れば問題ありませんよ」



 ただの管理職なんかーい。



「まあ、正式な婚姻は...この依頼が終わってからと言う事で」



⦅よろしいのですか?⦆



 まあ、女同士なら...下手な男よりマシかなって...てかボク中身男だし!



「はい、よろしくお願いします!」



⦅ステータスを表示します。こちらをご覧ください⦆


名前:ナターシャ

年齢:22歳

性別:女性

職業:冒険者(サポーター)・【勇者教】の聖女

服装:聖女の修道服

資格:錬金術師一級・冒険調理師一級

称号:【導きの聖女】

隠れ称号:【麗しき爆乳聖女】

冒険者階位:ノーマルクラス



 隠れ称号?!そんなのあるんだ...



回想終了〜




「て事がございまして、私は寿退社で聖女の職を降りる形になりますが、教会との繋がりは保ったままです」



 【勇者教】って以外と自由なのね。



⦅福利厚生の方も気になりますね⦆



「そしてリーチェ様と私は婚約関係になりましたので、今後手出しをしようものなら...分かりますね?」



 そう、これは脅しじゃない。元とは言え婚約者の職場である【勇者教】の人達に手を出せば、ボクは容赦なく斬り殺すつもりでいる。

要するに、間接的にだがボクはあの教会の用心棒になった様な物なのだ。



「....」



 犯罪奴隷君(笑)は悔し涙で言葉も出ないか...



「さあ、もうすぐ採掘場の目と鼻の先ですよ。

今日から毎日、ここで真面目に働いてもらいますね」



⦅ちなみに【ロックの雪山】にある【採掘場】は文字通り地獄です。作業員の殆どが犯罪奴隷、借金奴隷、そして出稼ぎ労働者で構成されております⦆



 そして、無事性犯罪者の引き渡しが完了。後は書類にサインを貰い、安全地帯でキャンプを立てて夜が明けるのを待つ。



「設置完了、ここなら魔物も来ないし大丈夫だろ」



「ご飯が出来ました」



 お、待ってましたぞ〜



「すぐ行く〜」



 現地調達の食材で作ったサバイバル料理って聞くとあまり良い印象を持たないかも知れないが、ここに【錬金術】で作った薬味ハーブやオリジナルの香辛料を使う事で凄く美味しそうな匂いがする。


 ⦅ちなみに【錬金術】は勇者が広めた文明の一つらしく、薬草を調合した薬の製薬法、香辛料やハーブを調合した調味料の製法、冒険者が狩猟に必要な爆弾や毒、罠やボウガンの弾薬など、様々なアイテムを作る技術とのことです⦆



 ホント勇者って何者なんだろ...。



「今日は精のつくものを沢山用意しました、いっぱい食べてくださいね」



「いただきまーす♪」



 今日のメニューは

『雪山草の浅漬け』

『霜降り苺のスープ』

『吹雪鰻の蒲焼き』

『雪山鳥の香草焼き』

『大将白豚の生ハム』

『天使の百合根の茶碗蒸し』

『雪山鳥の卵のプリン』

『雪解けの天然水』



どれも美味しくてお代わりまでした♪



 食べ終わって食器を洗い片付け、簡易ベットを用意する。だが何故かダブルベットなのは何故かはあえて聞かない事にした。



「ナターシャさんのおかげで助かりました」



「お気になさらないでください、リーチェ様は私の恩人ですから///」



 ナターシャさんのボクを見る時の顔がメスの顔になってる...



 ヤバい、またムラムラしてきた....ナターシャさんにお願いしたいけど...イケるかな?



⦅.....⦆



「ナターシャさん、お願いがあるのですが...良いですか?」



「はい、なんなりとお申し付け下さい♡」



 ゴクリ....



「ボクと、エッチ...して...欲しい、です///」



「!!!.....はい///、どうぞ♡」





 うおおおおお!!!

我が生涯、一片の悔いなし!!!!





「ナターシャさん...」



 お互いがお互いを熱い視線で見つめ合う。



「これからはナターシャと呼んで下さい///

私も貴方をリーチェとお呼びします///」



「うん♡」



(計画通り♪)





そして翌朝....





「あの....如何でしたか?///」



「最高でした///」



 結局最後までヤってしまった...

女同士は以外と気持ちよかった...

 







 もう、一生分の運を使ったかもしれない...








⦅報告、ステータスを更新します。

お読み頂き、ありがとうございます⦆


名前:リーチェ

年齢:15歳

性別:女性

前世の名:⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎

職業:冒険者

服装:春夏秋冬のコーデ

称号:【妖精騎士】

冒険者階位:ハードクラス

武器:【妖刀村雨】

加護:【アイとの交信】

   【天照大神の寵愛】

   【妖精騎士の証・風纏い】


名前:ナターシャ

年齢:22歳 

性別:女性

職業:冒険者サポーター・【勇者教】の聖女

服装:聖女の修道服・雪山用コート

資格:錬金術師一級・冒険調理師一級

称号:【導きの聖女】

隠れ称号:【麗しき爆乳聖女】

冒険者階位:ノーマルクラス

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