美少女AIがナビゲートしてくれる異世界で自由に生きていく

第22話 地獄の職業訓練

　ナターシャの職業訓練初日、えらく強烈な見た目をした教官の登場で衝撃を受けた。

｟ステータスを表示します。こちらをご覧下さい｠

名前:リィラ・ヴィーヴィル

年齢18歳　

性別:男の娘

職業:メイド・暗殺者・冒険者

服装:クラシックメイド服一式

称号:【瀟洒なメイド】

隠れ称号: 【激カワ萌え天使】

冒険者階位:マスタークラス

　お、男の娘？！この異世界に男の娘って性別があるの？

｟勇者が広めた性別らしいです｠

　勇者め！余計なものまで広めたな？！

｟何も見なかった事にしておきましょう｠

「ではこれより、『暗殺者』の職業訓練を開始する。最初の授業は【忍耐隠れんぼ】よ」

　【忍耐隠れんぼ】？名前だけ聞くと子供の遊びをハードにした感じかな？

「内容は簡単、一時間訓練場の樹海エリアに身を潜め、最後まで私から隠れ切れば合格とする」

　い、一時間？！ハード過ぎない？

｟隠密技術と忍耐力が試される訓練ですね｠

「では樹海エリアに移動する、私について来て」

　授業の邪魔しちゃいけないし、冒険者ギルドの酒場に戻ってドーナツでも食べようかな〜。

ガシッ

「ゑ？」

「貴方も強制参加よ」

　・・・What's ？！

　冷酷無比な男の娘メイドのお姉さん(笑)に首根っこを引っ掴まれ、ボクも強制参加となった。

　ボクが何をしたって言うんだ！

｟・・・｠

ー　樹海エリア　ー

「そこ！」

「ひっ」

　訓練生の一人が早速見つかった。

あまりに間抜けな見つかり方だったのでリィラ教官のアイアンクローが炸裂する。

「ア゛ア゛ア゛ア゛ア゛！！！」

　なんか断末魔が聞こえるけど聞かなかった事にしよう、ちなみにボクは木の上に隠れて【風纏い】と光の屈折を利用して透明化している。

　ナターシャが何処にいるのかわからないけど、多分上手いこと隠れたんだろ。

　そして50分が経ち、ボク以外の脱落者が次々と増え始めた。全員もれなくリィラ教官のアイアンクローを食らう。

「スパルタ過ぎない？」

｟『暗殺者』の訓練ですので、割と厳しめなのかと｠

　やっと一時間が経ち、合格者の発表が行われる。

「今回の訓練で最初の合格者はナターシャのみだ、他の者は全員失格」

　へー、ナターシャだけが合格か...意外とこういうのは得意なのかな？

「いつまでそこにいるの？」

　へ？

「光の屈折を利用して上手く隠れてるつもりだろうが、私の目を誤魔化せると思ってるの？」

｟ガッツリバレてましたね｠

　嘘ー？！上手く隠れてると思ったんだが？

「な、なんでわかったんですか？」

「なんとなくよ」

　ただの勘かよ！！！

「いつ気づいたんですか？」

「ついさっきよ」

　しかも授業終わってからだった！

｟なんか掴みどころのない人物ですね｠

　ただの冷酷無比なドS教官でしょ。

「合格おめでとうナターシャ」

「ありがとうリーチェ、隠れんぼは子供達とやっていたので得意なんです」

　孤児院の子達と遊んで上手くなったのか...。

「次は『地獄の鬼ごっこ』よ」

　まーたなんか不穏な感じの名前をした授業なんだが？

「内容は簡単、今から私は鬼役になって貴方達を追いかけ回すから、貴方達は逃げながら私の背後を狙いなさい。

私の背中にタッチ出来た人を合格とするわ」

　さっきよりハードルが三倍の厳しさになってんだが？！マスタークラスの暗殺者に追いかけ回されるって恐怖でしかないじゃん！

｟授業という名のデスゲームですね｠

「もちろん貴方は今回も強制参加よ」

　うそーん(´･ω･`) 。

10分後...

「鈍い！」

「アベシ！」

　授業開始から5分、三人が早速脱落した。

ハリセンを持った鬼（笑）が猛スピードで迫ってくる様は、ある種の恐怖映像だわ。

　ハリセンの餌食になった脱落者はもちろん、冷酷無比なアイアンクローが待っている。

　コレはあれだ、虐待とかスパルタとかいうレベルを通り越して拷問だ！

｟常人なら悲鳴の断末魔を上げるレベルですね｠

　ちなみにボクが逃げてると、他の訓練生を無視してボクだけを執拗に追いかけ回す。

　だからボクが何をしたって言うんだ！

「隙あり！」

「！！！」

　おぉ、ボクを執拗に追いかけてた所為か、背後が隙だらけなのを見逃さなかったナターシャが、木の枝の上から飛び降り背中にタッチしたので授業終了。

「なるほど、私が他の訓練生を執拗に追いかけ回している隙を突いたか...悪くない判断ね、合格よ」

　え？ボク囮にされてたの？さすがナターシャ、相変わらず強かだねキミ。

「凄いね、コレも一発合格だなんて」

「鬼ごっこも子供達と毎日やっていたので得意なんです」

｟何事も経験ですね｠

　その後、様々な教習課程が3日をかけて行われたが、ナターシャは全ての課程を一発合格。

　僅か3日と言う超スピードで卒業となった。

「さすが【勇者教】の聖女様ね、全ての課目を一発合格して卒業する人は貴方で三人目よ。

卒業おめでとう。

　貴方は今日で『冒険者サポーター』から『暗殺者』に、ノーマルクラスからハードクラスに昇格よ」

「ありがとうございます、教官殿」

　思った以上に早い日数で卒業か...ナターシャってホントなんでも出来るよね。

「なんだい、もう合格しちまったのかい。

本当に優秀だねアンタは昔から...ホレ、コレが卒業証書と『暗殺者』の資格を得た新しい冒険者登録証カードだよ、おめでとさん」

「ありがとうございます、ウィノカー様」

　ギルマスのばーちゃんいつの間に居たんだ...

「おめでとう、ナターシャ」

「ありがとうリーチェ、これで貴方と肩を並べて戦える...全て貴方のお陰よ♡」

　はて？ボクは何もしてな...いやしてたね、見学者である筈のボクが訓練に強制参加させられた挙句、執拗なまでにボクにだけ当たりが強い...。

　だからボクが何をしたって言うんだ！

このドSな冷酷無比野郎め！性別バラしてやろうか！

　とりあえずナターシャと試験合格パーティを...

「アナタは後で道場に来なさい」

　・・・What's ？！

｟報告、ステータスを更新します。

お読み頂き、ありがとうございます｠

名前:リーチェ

年齢:15歳

性別:女性

前世の名:⬜︎⬜︎⬜︎ ⬜︎⬜︎

職業:冒険者

服装:春夏秋冬のコーデ

称号:【妖精騎士】

冒険者階位:アルティメットクラス

武器:【妖刀村雨】

加護:【アイとの交信】

　　 【天照大神の寵愛】

　　 【妖精騎士の証・風纏い】

名前:ナターシャ

年齢:22歳

性別:女性

職業:暗殺者・冒険者・【勇者教】の聖女

服装:聖女の修道服

資格:錬金術師一級・冒険調理師一級

称号:【導きの聖女】

隠れ称号:【麗しき爆乳聖女】

冒険者階位:ハードクラス

武器:【アダマスの大鎌】