第3話  妖精族って...ツンデレ族?



「先ずは自己紹介が先でしょ。

私は【妖精軍将12星将】が一人、【乙女座のグロリア】!

かつてハイエルフ軍と一緒に人間共を成敗した者よ」



 羽の生えた超絶美少女が目の前にいる...最高じゃん。



⦅ステータスを開示します⦆



名前:グロリア

年齢:1200歳

性別:女性

職業:冒険者

称号:【妖精将】

二つ名:【乙女座のグロリア】

冒険者階位:マスタークラス

加護:【妖精将の証・極天の流星雨】

   【乙女座の導き】



おー、大物にいきなり出会しt...え?後期高齢者?



「今何か失礼なこと考えなかった?」



「ナ...ナンデモナイデス。

ボクはリーチェ、しょうふのむすめです...」



「娼婦?なんでまたそんな子が....年は?」



「ご、ごちゃいです」



噛んだ、恥ずかしい...



「5歳?!まだそんな幼いのによくここまで頑張って来れたわね!

....まあいいわ、どうせ訳アリなんでしょ?匿って欲しいのよね?期間はどれぐらい?成人になるまで?」



 身の上話をしたら憐れむような顔でめっちゃ捲し立てるじゃん...でもそんなに甘えるのはダメだと思う。



「じゅうにさいになるまでおねがいします」



「たった7年でいいの?せめて15までここに居なさい!」



ん?なんか圧が凄くなってない?なんで?



「えっと...それいじょうあまえるのは...」



「子供が一丁前に遠慮なんかするなっつーの!【神樹の世界】に実っている果物や天然水の飲食は自由!ついでに私が剣も教えてあげる!さ、入った入った!」



「あ、ありがとうございます!」



(そうそう、子供は素直が1番!)




神樹の世界・広場




 ここが【神樹の世界】か、凄く自然に溢れた世界だな。



⦅この【神樹の世界】は【大神樹ドラシル】の内側にある世界です、妖精将グロリアの許しなく入れないようです⦆



「今日から貴方は私の家で住みながら、外の世界で生きていけるだけの力と知恵を授けるわ」



「はい!よろしくおねがいします!」



「よろしい、先ずは基礎体力の底上げ訓練よ!効率的かつ厳しくするから覚悟なさい!」



こうしてボクの長い修行生活が始まった。






そして10年後...





「ほ、本当に行ってしまうの?」(泣)



「また帰ってくるから安心してよ、グロリア姉さん」



 一緒に暮らしているうちに愛情が芽生えてしまったらしい。



「ホントなら一生ここに居て【神樹の森】を一緒に守る人生でも良いのよ?なんなら不老不死の薬もある!」



 ありがたいけど、ボクはこの世界で自由を約束された身だ、いろんな所を見て周りたい。

それにグロリア姉さん達にいつまでも甘える訳には行かない。



「お待ちなさい」



「ア、アプロデテ様!」



 あれは...【神樹の世界】の神殿で座ってる【最長老】さん?



「汝、人間の少女リーチェよ、森を彷徨いグロリアに拾われた幼い時からよくぞ怠けず修行に励み、立派に成長しましたね」



 うん、前世から怠け癖のあったボクが我ながらよくやったと思うよ、ホントに。



「私は誇らしく思います、これで人間の見方を変える同胞も増えることでしょう」



「勿体無い御言葉です、最長老様」



「よって貴方には、我が妖精族の誉れの証【妖精騎士】の称号と【妖精騎士の証・風纏い】の加護を授与します」



「有難き幸せ、謹んで拝命致します」



「行きなさい、そして世界を見て来るのです。

また帰って来たら是非、旅の思い出を語ってちょうだい」



「はい、行ってきます!」



 普段お花の水やりしかして無い、人間に無関心な人にしか見えなかったから凄くいい人だった...



 妖精族の人たちって、一見傲慢な態度をとる様に見えるけど内面は優しい人ばかり...妖精族ってツンデレ族なのかな?




⦅報告、ステータスを更新します。

お読み頂き、ありがとうございます⦆



名前:リーチェ

年齢:15歳 

性別:女性

元地球出身の転生者 

前世の名:⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎⬜︎

称号:【妖精騎士】

加護:【アイとの交信】

   【天照大神の寵愛】

   【妖精騎士の証・風纏い】


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