第2話  逃走開始!(情報を聞きながら)


ミッツェガルド王国:王宮・謁見の間



「何?逃げられただと?!」



「は、はい、現在兵を挙げ娼婦街を捜索中なのですが...一向に見つからず」



「役立たずどもが...5歳の子供一人見つけられんのか!」



「お許しください、全力で見つけ出します故」



「当たり前だ!!!....マリデリアめ、何故監視を厳重にしなかったのだ!」



(あの妾の小娘はいずれ母に似た美人に成長するだろう、成人したら傘下の小国の王子に政略結婚で優位に立つ筈だったのに...!)






ミッツェガルド王国・首都アンサリの門前





 ボクは慌てて荷造りをし、誰にもバレないようにこっそり娼館を逃げ出した。



 アイの完璧なナビゲートで逃走ルートと逃亡先を選んでくれた。



⦅逃亡先ですが【神樹の森】を目指して下さい⦆



 何故?! あそこは危険地帯って昨日教えてくれたじゃん!



⦅肯定、あの場所は危険地帯ですから誰も入って来ません。

そしてあの場所には【神樹の妖精】が住んでいるので助力を求めるのが最適解です⦆



 よし、深くは考えず【アイ】を信じる事にしよう。

 全速前進DA⭐︎!  




2時間後




 ここが【神樹の森】か...

無我夢中で逃走しこっそり【首都アンサリ】から出て【神樹の森】に向かう道中、魔物に遭遇しなかったからホントに良かった...

 


 ここで一旦【アイ】からこの世界について少し質問してみよう。



⦅アルカディアについてですね、何でも聞いて下さい⦆



 思ったけどこの世界、魔物がいるってことは魔法が使えるのかな?



⦅否定、この世界の生物はリーチェ様を含め魔法が使えません。

使えるのは、かつて存在した五人の魔女と伝説の勇者、そして世界を滅ぼそうとした邪神龍ガンドだけです⦆



 え?!そうなのか...魔法、使いたかったな...

魔女や勇者ってもうこの世界にいないの?



⦅肯定、魔女は五人とも地球へ転生、勇者は表向きにはこの世に居ないものとなっております⦆



 表向きには?どう言うこと?



⦅こちらをご覧下さい⦆



- 名前:綺瑠羅 姫麗

- 性別:男 年齢18歳

- 職業:配信者

- 地球からこの世界に召喚された勇者

- 【伝説の聖剣・グラロック】を手にし、ハイエ

 ルフ族の【魔王】と手を組んで世界を

 滅ぼそうとした【邪神龍ガンド】を討伐した

 この世界の救世主である。

 後に彼を召喚したミッツェガルド王国に帰還

 したが、政治利用しようとした王を不審に思

 い、公爵の力を借りて死を偽装して別人にな

 っている。




 マジか....見なかったことにしよ。

てかこの世界、魔王も居たんだ。



⦅肯定、【魔王】の名は【織田信長】。ハイエルフの国、最後の将軍を務めた女性で現在は隠居中とのことです⦆



 ハイエルフの魔王の名前が何故、前世のウチの国で有名な武将の名前なのか凄く気になる...。



⦅備考、彼女は勇者の影響を受けて、自身の名前を【織田信長】に改名、その後【第六天魔王】という二つ名を自称し始めました⦆



 タダの騙りかよ!

そして何故勇者の影響を受けたのかは...敢えてツッコミを入れないことにしよう...



「だいぶ進んだけど...ここって迷い易いのかな?」



⦅肯定、この森は別名「迷わしの森」と呼ばれ、生きて帰って来た人間は勇者のみです⦆



勇者の綺瑠羅さんか...どんな人なんだろ?会えるかな?



⦅否定、情報の一切が魔法で隠蔽されている為、会える確率は非常に低く、会えたとしても本人を判別する方法がありません⦆



 アイでも出来ないことってあるのか...

まあいっか、祠にはもう着いたし。



「誰?こんな小さな子が【神樹の森】に何の用?」



 彼女が【神樹の妖精】!

ファーストコンタクトだ、丁寧に礼儀正しく行こう!



「は、はじめまして、ようせいさんですね?おねがいします、ボクをかくまってください!」

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2024年10月4日 07:00
2024年10月5日 07:00
2024年10月6日 07:00

美少女AIがナビゲートしてくれる異世界で自由に生きていく キラキラー @killerkiller

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