第38話 勇者はバカか?天才か?
-絶海の孤島-(私有地の教会)
バカ王子の裁判から数日後、アトランティスに戻って来たリィラさんがご主人様の許可を取って、私有地の教会を貸してくれたので小規模な結婚式を開く事にした。
まさかウェディングドレスをまた着る事になろうとは夢にも思うまい、しかも相手は元トップアイドルだから現実味を全く感じないし。
⦅アデル様がリーチェ様とご結婚&冒険者クラン【明け星の導き】に正式加入という事で、今更ながらステータスを開示致します。
こちらをご覧下さい⦆
名前:アデル
年齢:18歳
性別:女性
職業:冒険者
服装:雪月花の花嫁衣装
称号:【最高に煌めく超新星】
隠れ称号:【セクシーな巨乳アイドル】
冒険者開位:ノーマルクラス
⦅そういう展開って、物語の中だけなのがセオリーですからね⦆
「き、緊張しますね、リーチェ///」
「そ、そだね」(汗)
「ゴホン!」
ひ!ナターシャはまだ怒ってるのかな?
⦅タダの嫉妬隠しですので安心して下さい⦆
安心要素がないのだが?!
「...では僭越ながら神父役はこの私、ナターシャが務めます。
これより、誓いの儀を執り行いますので皆様は静粛に」
皆様ってかリィラさんしか居ないんだが?!
⦅アデル様のご両親は処刑されましたしね⦆
「汝、新婦リーチェよ、貴方はこの場に置いて
新婦アデルを妻とし、永遠の愛を誓いますか?」
「誓います」
「汝、新婦アデルよ、貴方はこの場に置いて
新婦リーチェを妻とし、永遠の愛を誓いますか?」
「誓います♡」
「ではお互い見つめ合い、誓いの口付けを」
濃厚なキスをして、二人の頬が紅潮し誓いの儀は終了。
あとは軽く会食をして披露宴は幕を閉じる。
前にもこんな下りなかったっけ?
⦅以前は小国での国を挙げた盛大な式でしたが、今回はこれ以上騒ぎを起こさない為のこじんまりとした式ですので気のせいかと⦆
「さて、堅苦しい式も終わったし、リーチェ!ナターシャ!三人で新婚旅行に行こ!」
「新婚旅行?ナターシャはどう?」
「新婚旅行ですか?良いですね♪」
そういえばナターシャと二人で新婚旅行は行ったことが無かったな...。
「行くのは良いけど、何処に行くの?」
「【錬金術学院都市・エンデュミオン】!」
なにそれ!ラノベに出て来そうな主役の舞台都市見たいな国の名前は?!
⦅世界最高峰の錬金術師達が集う国であり、今も様々な技術を生み出し続けて発展を余儀無くされる勇者様が築き上げた臨界繁栄都市です⦆
未来都市みたいな感じかな?その国を治めてる人も錬金術師なの?
⦅その国は【元老院】と呼ばれる組織が中心となっていて、錬金術の開祖である勇者様から直々に【博士号】を授与された五人の錬金術師達が、それぞれ権力を分散して持つ形で構成されています⦆
なんか聞くだけでも凄い人達の集まりに聞こえる!
⦅勇者様に出来なかった技術などを生み出す、または発見した五人の錬金術師達ですので技術力は勇者様を超えてるとの事です⦆
ボクもナターシャの錬金術には何度も助けられたな〜、特にご飯や体力増強とか。
⦅リーチェ様もお勉強なされば簡単な錬金術を習得出来ると思いますよ?⦆
ベンキョウ、キライ!ゼッタイ、ヤダ!
⦅あ、今回もこの人はダメっぽい⦆
「ところでそのエンデュミオンって国にはどうやって行くの?」
ふと気づいたリーチェの疑問にアデルが自信満々で答える。
「アトランティスの第六区画にエンデュミオン駅行きの【水圧発電機関車】が停まる鉄道ターミナル駅があるので、そこから列車に乗って行きます!」
【水圧発電機関車】?
⦅【水圧発電機関車】とは、大量の水を押し込んで流す手動式大型圧力ポンプで発生する勢いの強い水圧を利用し、タービンを回転させて磁気摩擦による発電を可能とした自己完結型フリーエネルギー装置を搭載して走る機関車です⦆
えと?つまり?
⦅...水の圧力を利用した発電機で動く機関車です⦆
あ、水力発電ね!
⦅まあ、大体合ってます⦆
でも発電の度に大量の水を消費するの?
⦅この発電機関車は、水道を一周させる事で押し込んで流した水が戻ってくる仕組みになっていますので、戻って来た水を汲み直す事で先程の工程を繰り返す事が出来ます⦆
つまり、永久機関?!
⦅否定、永久機関の定義は外部からの力を借りずに自己完結で半永久的に回転し続ける装置の事を指します。
大型圧力ポンプが手動式である以上、どうしても人の手を加えないと発電出来ない仕組みとなっております⦆
え?そうなの?!やっぱり永久機関って夢のまた夢なのかな...。
⦅しかしこの発電機関車の利点は、定期的ではありますが少ない人の力だけで大きな電力を生み出す事です⦆
デメリットは?
⦅...大きさが最低でも列車一台分ないといけないことです⦆
利用方法が凄く限定されるじゃん!しかも発電方法めっちゃアナログだし!
⦅勇者様がクリーンな機関車をテーマにして錬金術で開発した物ですので仕方ないかと...⦆
ここまで来ると勇者はバカなのか天才なのか訳わかんないよ!
⦅ちなみにエンデュミオンでは、先程紹介した物よりも実用性の高い装置が沢山開発されていますので、勇者様の功績も捨てたものではないかと...⦆
腐っても勇者が切り開いて広めたテクノロジーが集結した国らしいからね...一応期待しておこうかな。
「では、第六区画にある鉄道ターミナル駅への案内は私がさせて頂きます」
三人が言うより先にリィラが案内役を買って出る。
「良いの?ありがとう、この国迷いやすいから助かったよ〜」
「ありがとうございます、リィラ様」
ナターシャのお辞儀に釣られて、リィラもお辞儀で返す。
「よし、旅行先も決まったし、早速準備しよ!」
「「「おー!」」」
アデルの出発宣言に三人も同調し、準備に取り掛かる。
次の国も楽しみだ!
⦅報告、ステータスを更新します。
お読み頂き、ありがとうございます⦆
名前:リーチェ
年齢:15歳
性別:女性
前世の名:
職業:冒険者
服装:雪月花の花嫁衣装
称号:【妖精騎士】
冒険者階位:アルティメットクラス
武器:【妖刀村雨】
加護:【アイとの交信】
【天照大神の寵愛】
【妖精騎士の証・風纏い】
名前:ナターシャ
年齢:22歳
性別:女性
職業:冒険者・暗殺者・【勇者教】の聖女
服装:聖女の修道服
資格:錬金術師一級・冒険調理師一級
称号:【導きの聖女】
隠れ称号:【麗しき爆乳聖女】
冒険者階位:アルティメットクラス
武器:【アダマスの大鎌】
名前:アデル
年齢:18歳
性別:女性
職業:冒険者
服装:雪月花の花嫁衣装
称号:【最高に煌めく超新星】
隠れ称号:【セクシーな巨乳アイドル】
冒険者開位:ノーマルクラス
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