第14話  クラン結成!【明け星の導き】






「な、なんじゃこりゃーーーーー?!」



 ギルマスの依頼から帰還したボク達は討伐した【ブリザードサウルス】を荷車に運んで来ていたため、出迎えに来たギルマスが腰を抜かした。



 何があったのか事情を説明し、【ブリザードサウルス】はギルドで買い取って貰う。

買取金額は金貨2000枚と超高額だったので目が飛び出しそうになったのは内緒の話。



⦅棚から牡丹餅とはまさにこの事ですね⦆



「色々とハプニングはあったみたいだが、書類のサインは確認済みだ。依頼達成お疲れさん、約束の報酬金貨10枚だ、無駄遣いするなよ」



「えっと、消費税?」



 余りの落差に思わずテンションが下がってしまう。



⦅その例えは古いかと⦆



「これだけあれば、しばらく生活には困りませんね♡」



「いきなり大金持ちになったからびっくりだよ、何割か孤児院の寄付に当てても困らないかも」



 そんな感じで夢を広がりングしている時に、ギルマスが会話を横切る。



「嬉しさで色々話ているところ悪いが、ちょっといいか?」



 なんだろ?また依頼かな?



「今回の突発的だったとは言え、嬢ちゃんはアルティメットクラスの魔物を討伐したんだ。それも数十人でしか倒せないレベルのを一人でな...」



「えっと、つまり?」



「つまりだ、嬢ちゃんはアルティメットクラスへの昇格資格を得たんだ。よって俺の権限で、嬢ちゃんの冒険者階位を【アルティメットクラス】に昇格とする!」



 それはつまり、登録数日でいきなり上から三番目のクラスにスピード出世ってこと?!



⦅おめでとう御座います⦆



「凄いですねリーチェ、前例の無いスピード出世ですよ!」



「え?そうなの?」



 無かったんだ、今まで前例が。



「あぁ、ビギナーからハードに昇格する天才は良く居たが...ビギナーから僅か5日以内でアルティメットになった強者は中々居ない、おめでとさん」



 やったー!アルティメットクラスになったら何か待遇が変わるのかな?



⦅一定額の税金免除、【クランの設立】、貴族や王族による徴兵の免除など様々な恩恵を受けられます⦆



「なるほど...、クランの設立か...」



「お、良く知ってるな嬢ちゃん。そうだ、アルティメットクラスともなれば【クラン】の設立が可能だ、最低人数はクランマスターを含め2人、どうだ?聖女様も冒険者に復帰して設立する気は無いか?」



 おぉ、設立条件は割と緩めなんだ。



「ナターシャ、ボクと一緒に来てくれる?」



「はい!私はリーチェとならどこまでもついて行きます!」



 よし、クラン設立条件達成だ。



⦅ちなみに、クランを設立すればギルドマスターの権限で住民票が無くても拠点を貰う事が出来、そこに住む事が出来ます⦆



 マジか、でも何処を拠点にしようかな...



「ちなみになんだが、クランの名前はもう決まってるのか?」



「名前、名前か〜」



 悩んでいたら、ナターシャが閃いた顔をして、提案を出す。



「でしたら、こんなのはどうでしょう?」




回想〜



 それは、キャンプでボクとナターシャが夕飯を食べている時のこと...



「天体観測はご存知ですか?」



「夜空の星を眺める娯楽でしょ?勇者様が広めたの?」



「はい、勇者様は娯楽についても多くのものを私達に広めたのです。天体観測もその一つ」



 そうなんだ...、吹雪も丁度止んだし、夜空も綺麗だ、いい機会かも。



 「こうやって夜空の星を眺めながらのキャンプも、なかなか乙かも...」



 転生前じゃこんな機会、全然無かったな...

親の勉強漬けから逃げ出す為に【混沌の夢】を追いかけ続けていたボクには...。



「あの星、1番綺麗で輝きが違いますね!」



 あの輝き方は図鑑で見た事がある。



「金星だね。明けの星とも言われていて、太陽の光を受け、1番に輝く星とも言われているんだ」



「まあ、博識なのですね」



 凄い褒めてくれる、こんな綺麗で胸の大きいお姉さんに褒められるとなんだか照れる。



「明けの星、なんだか神聖な響きでとても美しいです。

あぁ、あの星の導きの元、勇者様からの祝福が在らんことを...」



回想終了〜




「と言う事がありましたので、【明け星の導き】なんてどうでしょう?」



 良いかも、ナターシャさんナイスアイディアだ!



「【明け星の導き】...よし!クラン名はそれで行こう!」





 クラン【明け星の導き】、結成だ!





「お、決まったみたいだな。そんじゃクラン名【明け星の導き】で本部に書類を提出しておくぜ」



 対応早っ!

このおっちゃん仕事が出来るタイプだ!



「ありがとうございます」



 今回色々と展開が急過ぎて目が回りそうだったけど、これで一件落着かな〜。



⦅私も例のパーティ惨殺事件から、ここまで発展するとは想像もつきませんでした。びっくりです⦆



「あ、そうです、忘れていました」



 ナターシャが何かを思い出したかの様に言い出す。



「ん?どうした聖女様」



 ギルマスの質問が来た時、ボクの腕を組んで恍惚とした表情でギルド内の酒場でとんでもない爆弾を落とす。










「私達、結婚します♡」











「な・・・なんじゃそりゃーーーーーー?!」



 ギルマス、本日二度目の驚きである。



 ちなみにボクも、雪山で激しい戦いが二度続いたので結婚の約束してたのすっかり忘れてた。




⦅報告、ステータスを更新します。

お読み頂き、ありがとうございます⦆


名前:リーチェ

年齢:15歳

性別:女性

前世の名:⬜︎⬜︎⬜︎ ⬜︎⬜︎

職業:冒険者

服装:春夏秋冬のコーデ

称号:【妖精騎士】

冒険者階位:アルティメットクラス

武器:【妖刀村雨】

加護:【アイとの交信】

   【天照大神の寵愛】

   【妖精騎士の証・風纏い】



名前:ナターシャ

年齢:22歳 

性別:女性

職業:冒険者サポーター・【勇者教】の聖女

服装:聖女の修道服

資格:錬金術師一級・冒険調理師一級

称号:【導きの聖女】

隠れ称号:【麗しき爆乳聖女】

冒険者階位:ノーマルクラス




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