概要
SFひとつまみ!
短編小説集。少し不思議な物語。続きそうなお話も、こちらに収納していきます。
私のうちにあるだけの話が、形にできる力を得るのは、貴方からの反応が私に届いたからなのです。
おすすめレビュー
新着おすすめレビュー
- ★★★ Excellent!!!僕の目の前に置かれたのは、鈍く銀色に光る小さなディスクだった。
「……なあ。これ、いったい何だと思う?」
「ずいぶん古い外部記憶媒体だね。どこから?」
僕はよく冷えたアイスティーを口にしてから、
「ところで。もうちょっとゆっくりしたらどうだい。せっかくの庭園喫茶室なんだから、楽しまないと」
目の前でイライラした様子で両手をこすり合わせる彼に向って、そういった。
「……おそらくこれは、この国が日本と呼ばれていたころのものだと思う」
だけど、返ってきた彼の言葉に、僕はほんのちょっとだけ驚いた。
サラセンホテルの喫茶室は、都市に住む人々の憧れの的だ。
ここでお茶をすることが、若者の間ではデートコースのお定まりにもなっているらしい。
ここから見る…続きを読む