美しき空想と現実の寓話

とても素敵な短編集だ。
一つひとつが不思議な魅力を持っていて、
読む者の心に、そっと響く。
それらは全くテーマも視点も異にした
掌編の数々。
 恰も、森の中の陽だまりを見る様な。
或いは紺碧の夜空を流れゆく流星の様な。そして夕暮れに独り家路を歩くような。

この感情を何と表現したら良いのだろう。

寓話であり空想科学小説であると同時に
聖書の様にも神話の様にも感じられる。
機知に富んだ温かな物語は涙すらも誘う。


 きっと 何か が、心に響く筈だ。