20話 計画

「おいお前ら、なんだその棒読みは」


「いやーだって、なぁ?」


「この前の時もカジノ襲撃するとか言ってたじゃないですか」


この前というかリア様は毎回難しいと言われている場所を襲撃しようと言ってくる。


「前回のは冗談だが今回は本気だぞ」


「また警察の方にズタンズタンにされますよ」


「むむ…」


カジノや研究所や国立銀行は警備の手以外にも内部の捕獲システムやセキュリティの強固さが強すぎて、まともな襲撃じゃないと入口でアウトだ。特に研究所なんかは見張りもおおくなっているので入口にもたどり着けないだろう。

そもそも上記の3点は王国最難関って言われていて失敗した時の罰金は多いし、そもそも歴代でクリアしたものはこの60年間で存在していない。

まぁ成功した時点でものすごい額の大金が手に入るがな。


「そもそも警備の手も毎回全部が一方に回される訳では無いからすぐに捕まるのがオチ」


「うむむ…アルさーん、なんとか言ってやってくださいよぉー」


うげ。こっちに投げられた。


「うーん…まぁでもいつもよりは成功率高いと思うよ?多分情報の流し方的に隻蘭会は本気だと思うし」


「アル君まで?」


「まぁまぁ。みんなも知ってると思うけど、隻蘭会って基本的には襲撃の10分前に予告して一気に攻めるってのが主流だから情報は基本的漏れないはず。だから今回情報がもう伝わってきてるのは何かしらの意図があると思う」


「アルさんが言いたいのは隻蘭会は故意に情報を流して他の場所を襲撃させることで少しでも戦力を削りたいってことですか?」


「多分そうなんじゃないかなって。俺の予想だと中級襲撃ポイントに人が集まると思う。

あと狙うなら襲撃時刻をずらして国立銀行の方がいいと思うな」


流れ的には最初にカジノに犯罪予告がされると思う。警察側も襲撃には勘づいていると思うのでカジノに人を派遣してるはず。

だが隻蘭会は最初は戦力を小出しにして他のギャング達の犯罪予告を待つはずだ。警察側は人手を他の場所にも割くしかないので、隻蘭会側からしたら混乱も誘えて戦力も減らせるのでメリットになるはず。


ここで1番大事なのは少し待ってから銀行に予告をすることだ。他のギャングは最難関以外の場所しか襲撃しないと思う。そしてそれは警察側も分かっているはず。ある程度の戦力を派遣したら隻蘭会との正面衝突に集中するはずだ。


だからそこを狙う。ここで肝なのは研究所ではなく銀行を狙うことだ。研究所は施設内の迎撃システムが多いのに対し、銀行はあまり存在しない。何故なら普段は警察署が近くすぐに駆けつけられることが利点になっているからだ。

さらに今回の場合は警察がほとんどいなくなるし、国立銀行は他の襲撃ポイントから離れているので警察が駆けつけるのも遅くなるはずだ。


「あと今回の襲撃には俺も参加しようかなって思ってる」


「「「………え?」」」

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