4話 決して下手くない
マイホームのソファで寛いで、今日獲得した称号を眺めてニヤニヤしているとインターホンがなった。
ウィンドウで確認するとそこにいたのは案の定幼馴染である莉朱だ。ゲーム内ネームはリア。
「アルー。遊びに来たよー」
「今開けるわ」
鍵をを解錠して待つこと1分。リビングにリアがやってきた。
「やっほー。久しぶり!」
「久しぶりって、昨日も会ったやんけ」
「だって最近忙しそうであんま話してくんなかったじゃん」
こいつは幼馴染の
でも俺思うんだ。やっぱこういうのって多いと霞むんじゃないかって。少ないからこそ1つの属性が輝くんじゃないかって。全然霞んでへんけどな。
ちなみにミスったとかでゲームのアバターも現実そのもの。配信でも顔出してるし街を歩けばファンが湧く。俺は隣を歩きたくない。
でもめちゃめちゃ美少女で正直幼馴染として生まれた俺は、前世で世界でも救ったんじゃないかと疑うレベル。隣は歩きたくないが有名人が知り合いにいるとか最高ですよね!
ちなみに自己紹介が遅れました。俺の名前は
「てかいいタイミングで来たな。忙しかった理由は終わったぞ」
「!?。ってことは…」
「称号取れたわ。「極」ってやつだった」
「ジョブは極かぁー。「到達者」とは違うね。」
到達者ってのは熟練度カンストが合計5000個。熟練度ってめっちゃ種類あるから数的には問題ないけど正直無理だわ。
俺の熟練度カンスト数は2000くらいだが、これって簡易生成で大量生産して傘増ししてるだけであって、正直2500くらいになってからカンストさせるペースが目に見えて落ちてきてるんだよね。
もし戦闘系の熟練度をカンストさせようとすると、結構PSが必要になってくる。でもVRのPSってそれほとんど現実でのセンスと変わらんと思います。
でもこの幼馴染ってさ…天才だからさ…カンストするのに結構時間かかるはずなのに爆速で上げていくんだよね。
俺が生産職になった理由って、始めたての頃に戦闘全部任せて武器とか作ってこいつのサポートに回った方が良くない?ってなったからだし。
あ、決してセンスが無かったとかじゃないです。まじで。
それにしても戦闘かぁ。思えば始めたての頃は剣で敵を切ったり、魔法使いながら戦ったり、刀でかっこいいことしようとしてたよなぁ…
「戦闘職してみよっかなぁ…」
「!?」
「なんでそんな驚いた顔すんだよ」
「いやだってあんなに生産職しかしてなかったのに、今更戦闘職するって言われたからさ」
「いや確かにそうだったけど、生産職って残ってるのもう激レアユニークジョブくらいだろうし」
「そっか、アルは普通のやつはもうほとんどカンストさせてるのか」
「だからちょっと戦闘してみようかなって」
「い、いやでも考えてみてよ。せ、生産職じゃないならさ、医者とか運転手とかサポート系もあるじゃん?」
なんでこいつはこんなに吃っているのだろうか。
正直最初は俺も戦闘職をやろうだなんて思ってなかったが、リアを見てるとなんだかやってみたくなってきた。
「医者は薬系のジョブ取るついでにカンストさせたな。上位のとかは条件に必須だったし。運転手は取ってないけどやっぱ似てるしさ」
今の俺はそういうのじゃなくてもっとスリルを楽しみたい。
思えば長いことエグスタをやってるけど今思えばよく飽きもせずに生産職ばっかやってたよな。
「でも他にもいっぱいジョブなんてあるじゃん。そうだ戦闘系なら魔法使いになれば?」
「いや、前衛やりたい」
魔法使いも悪くないけどさ、それに近いジョブ取得してるんだよね。やっぱジェムとかは魔法職取ってないと作れないし。戦闘系の魔法職は取ってないけど。
てか剣とかやっぱかっこいいじゃん。スリル味わいたいのに後ろから守ってもらえるのはなんか違う。
「じゃ、じゃあ…」
「いやなんでそんな取らせたくないみたいなかんじなの?」
「言っても怒らない?」
「うん。内容によるけど」
「じゃあ言うけど、アルってそのさ…凄い下手なんだよね。多分近接とか絶望的に」
「グハッ…」
なんだろう。すごいダメージを受けた。特に凄い下手っていうワードに。
「いやいやそんなことないって。確かにリアよりかは下手いし、リアの周りよりも下手だと思うけど、それはお前の周りがベテランすぎるだけで俺は至って普通でしょ」
「い、いやぁ…改めて考えたんだけどさ、せっかくなら全部の生産職取ろうよ!」
「おい話変えんなや。絶対普通だから。てか今から見せるから。どうせ数年前のことが記憶に残ってるだけだから」
そもそも取れる生産職は全部取ってるからあと持ってないのはほんとに秘匿されてるとか、解明されてないやつとかだし、取るに取れないんだよね。
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