8話 時間加速処理
時間加速を行っているゲームの良いところでもあり悪いとこでもあるのが現実との時間の差だ。
エグスタでは現実の時間に比べ10倍の時間加速が行われている。1時間程の空き時間でも10時間もの時間が過ごせるというわけだ。
この10倍という数値は時間加速をしているゲームの中でもとても高い数値だ。専用の端末を使えばさらに時間を伸ばすことは全然可能だが、一般ゲームとして売っているエグスタは、もちろん国が定めるギリギリ最低限の低スペックで安価な端末でもプレイされるので、その端末でも10倍加速ができるというのはすごい。
だがもちろん早ければ良いという訳では無い。ソロゲーなら構わないが、エグスタはMMO、学校等は7時間位は余裕で拘束してくるのでエグスタでは70時間という3約日もの時間が進んでしまう。
そのための救済システムが通信量を除くエグスタでの唯一の課金要素であるブーストアイテムだ。
通常ゲーム内で5日の120時間、現実での12時間のログインが行われなかった場合、経験値やドロップ率に補正がかかるアイテムが配布される。課金ではこのログインしてない時間を短縮したり、効果量を上げることができる。
もちろんずっとログインしてる方が貰える経験値量は多いように調整してあるが、短時間で多くの経験値を獲得しようとする場合にはこれが逆転することもある。
一時期はこの戦法でのレベリングが流行ったこともあったが、レベリング以外の要素で差をつけられたり、単純に我慢できない人が多かったためすぐに廃れた経緯がある。
また睡眠問題もある。VRにフルダイブしている間は普通に起きてる間に比べてある程度の休息状態になっているので、睡眠の時間をカットできるが、最低でも4時間の睡眠は必須と言われている。
これを超えて活動すると寝不足になるので注意が必要だ。
じゃあゲーム内での睡眠はどういう扱いになっているかと言うと、その時間は精神と実年齢の乖離を起こさないために色々と調整される時間に使われるらしい。
だから普通にプレイしてても普通に眠くなる。睡眠時間は現実よりも短い時間ではあるが。
ここで一般的な学生のプレイヤーのエグスタプレイ時間を見てみると、朝7時に起きて学校に行くまでに少しでもエグスタをプレイしない前提で、学校から帰るのが5時くらいだとして、そこからご飯とか風呂とか諸々含めて3時間ほどログインしないとしても6時間程度、エグスタでは60時間という時間をプレイすることになる。
もちろんそこまでエグスタをプレイしない人はいるが、現代ではエグスタ内で別ゲーをプレイしたり、趣味を行ったり、現実での肉体に合わせて部活動などをエグスタ内で行う学校は珍しくない。というか一般的ではある。
強豪が専用の機体を買ってさらに高スペックなもので練習したり、実際の肉体でのプレイも必要だからそこまでエグスタを使いすぎるということは無いが、エグスタはゲームという枠組みを超えていると言っても過言ではないほど一般に浸透してしまった。
ゲームプレイヤーが何億人突破とかよくやってるがあれはアクティブだと運営が言っていたのた。どこからがアクティブなのかは知らないが実際購入だけしてちょこっとプレイしてるって人も沢山いるんじゃないだろうか?
俺の現実でのログイン時間を考えても明日が最後かな。明日はとりあえず冒険者組合に行ってみるか。
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