閑話 とあるギルドでの会話
「先輩、今日はよろしくお願いします」
「おう、任せとけや」
俺の名前は
前に…と言っても現実では1年前だからエグスタではもう10年くらいたってるのか。それでも少し前だと思うあたり、やっぱ時間加速の対策はしてあるんだなと思う。
10年もやってればそこそこ強くなるもので中級者の中層くらいにはいると思う。
「もう結構やってるんで、前とは違ってそこそこ強くはなったと思いますよ」
「そうだよなー。俺の時よりも成長ペース早いと思うわ」
この人はサキリさん。初心者の頃に知り合った人で俺がとてもお世話になっている大先輩で、縁あって結構面倒を見てもらっている。
サキリさんはリアルで3年前から始めたそうで、だいたい30年くらいはやってる上級者プレイヤーだ。
しかも〈剣聖〉とか呼ばれてる2つ名持ちのプレイヤーで、エグスタじゃそこそこ有名人。
この人の剣技は俺もよく見るが本当に凄い。俺はエグスタ内じゃかなり珍しい銃を使う職業だけど、この人は弾を切ってくるからな。
2つ名持ちのプレイヤーと知り合えるとかそうそうある事じゃないので、初心者の頃に知り合えたのは本当に運が良かった。
今日はそんな先輩にやる気とかPSを見込まれてギルドに入れてもらえることになった。
先輩のギルドは学聖剣と呼ばれるギルドで、先輩が設立したギルドで主に学生のメンバーが多いらしい。
ギルドランクもS帯上位ととんでもなく強い。
「モブスはギルドについてはちゃんと知ってんのか?」
「いや、ある程度は知ってるつもりっすけど、今までギルドとかは入ってなかったので出来ればちゃんと教えて欲しいです」
「そうだな。じゃあ結構基礎のとこまで教えてやるよ」
先輩曰く、ギルドのランクってのははF帯からE.D.C.B.A.S.そしてレジェンド、マイソロジーに別れている。
昔はここまでなかったそうなんだがユーザーが増えすぎて、それに伴ってギルドの数もありふれてこうなったらしい。
ランク帯は人数、知名度、戦力、資産、他にもいくつかの項目をクリアすることでA帯まで上がっていくらしい。A帯に行くまでにも結構厳しいらしく、A帯所属は少し自慢できるらしい。それにランクを上げることによるメリットもあるので、ギルドを強くしたい人はとりあえずA帯を狙う。ここまでは俺も知っている。
だがS帯からはまた別で偶数月開催の団対抗イベントで活躍しないと上がらないそうだ。団対抗イベントは戦闘や生産関連やフィールド探索やら色んな種類があるそうで報酬も美味しくエグスタ内の恒例というか特に力を入れるイベントになっている。
過去に有名配信者が大規模な団を設立したことがあり上を目指そうみたいな企画をしたが、Sが限界でレジェンドには全くたどりつけなかったそうだ。
それもそのはずS帯は数あるA帯の中から1万団のみ、レジェンドは上限1000団、マイソロジーは10団限定という制限があるからだ。
割と前にアクティブプレイヤー数が2桁億を超えて、設立は1人1団だがメイン以外にも2団所属できる今となっては団の数は計り知れない数になっている。
その中で1010の中に入るのは無理に決まってる。
正直Sギルドに入ってるだけでクラスで相当自慢できるからな。てか俺もこの前自慢しまくってた。皆の羨望の眼差しが気持ちよかった。
「聞きたかったんですけどギルドの中でもやばいのって何処なんですか?」
「ん?そうだな。まぁまずはお前も知ってるだろうけどマイソロジーのとこだろ?10ある中でも有名なのはRECとか、日本精鋭だと乄幻影☦︎︎覇王軍乄とか、あとはまぁ、エデンだな」
これは俺でも知ってる。RECは有名配信者がいっぱい所属してるギルドで有名人とかも入ってるし、それに人数枠を拡張しまくってるのでとにかく人数が多いギルドだ。
配信者はやっぱ配信を多くする分貢献度も高い。海外の配信者も多く所属してるし、それに強いリスナーが多い。人数で稼ぐタイプだが、その人の質も結構高いギルドで俺の憧れのギルドだ。
幻影覇王軍は確かギルマスが厨二病だけど人数少ない割には強すぎる人が多く所属してる。日本人メインのクランで日本トップギルドだけど、これが日本のトップクラスというのは少し恥ずい。海外受けは結構いいらしいが。
「エデンはめっちゃ有名ですよね。特に〈戦姫〉とか!俺ファンなんですよねー」
「あぁ。あの人はやばいよな。すごい昔に付けられた2つ名だから、今つけるともっとやばい2つ名を付けられるだろうな」
〈戦姫〉は多分エグスタ内でも一番知名度ある超有名人だな。なんと言っても戦闘ランキング世界1位。エデンの団長で、更にチャンネル登録者数全世界56億人。翻訳機能や世界人口が増えてることも加味しても、日本でトップクラスの配信者だ。
そしてそんな彼女が所属するエデンは世界でもトップクラスの人が所属し、RECに所属してない強者な有名人は大体こっちのクランに所属してる。
あと有名な話として副団長の席が永遠と空席とかも有名だな。
「まぁマイソロジーは誰でも知ってるけどあとは、S帯の世界的な考察クランのエグスタ考察ギルドとか、二ーターズとか自宅警備員隊とかも有名だな。他にもランクは低いが社畜軍部とか、あ、お前トッププロテインには注意しとけよ」
「それは分かってますよ。それにしても他のギルドも名前からしてどんなギルドか分かりますね」
「まぁとりあえずお前は学聖剣として今日から頑張ってくれよ。あぁ…それと近頃ギャングとかが犯罪企んでるらしいから、俺らは警察の補助として多分参加するからな。初仕事はそれになるかもな」
「色々とありがとうございます。これから頑張りますね」
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