神樹の森の魔木義体師

　セラフィータ・デッラ・マゼッティは聖王国の貴族子女が通う学院を優秀な成績で卒業した才媛、伯爵令嬢である。
　だが足が不自由という瑕疵のせいで社交界に居場所がなく、専ら学生時代の延長とばかりに魔術の研究三昧の毎日を送っていた。

　そんなある日に、日の目を見ない研究に金をつぎ込むセラフィータに対してついに父が激発。
　怒れる父が探してきたセラフィータの嫁ぎ先は、魔獣の住まう森でオーガの嫁とか嘘でしょ仮にも伯爵令嬢ですよ！？

　魔獣の支配する魔王国の土地でセラフィータの第二の人生――を始める前にこの脚、脚を何とかしないと。
　想像以上に優しかった夫に支えられながら、家庭菜園を開いたり口の悪い飲み友達を作ったり。

　他人に興味がない主人公なので、悲劇やざまぁは御座いません。
　我が道をのんび…続きを読む