第25話
人智の知るよしもないことを目の当たりにしてどうするか。
それを神だと役を与えて崇めるか。
化け物だとして禁忌にするか。
どちらかだろうか。
ツネやルイたち家族はそのどちらでもなく普通の人間として存在させる。
見ない振りをする訳ではなく、人として振る舞えるように自分たちの娘息子たちと同じように育てると決めた。
人類が全員そうであればミラは幸せだっただろうか。
「帰ったよ、今日はかなりいいご飯が食べられそうだ」
帰るやいなや中にいたルイやカナ達に声をかける。
「ほんと?!やったやった!」
ミアが真っ先に駆け寄ってははしゃぎ回る。
「何を持って帰ってきたの?ワタシはさっき近くの森で木の実採ってきたよ」
「わたしは何もしてない」
カナは仕事をするが意外と上手くサボるルナ。
「外にすごいのがいるからね、1度見てみな。腰を抜かして立てなくなっちまうよ」
豪快に笑って言ってのける、そこまで言うのであればあのサイズの熊はレア中のレアなのだろう。
「私がいただいてきたんだよ」
ふんふんと満足気に胸を張るそれを狩った当事者。
「ギャァァァァー!!」
「エッ…」
「アッ?!」
「…………」
外に出た子供たちの絶叫がよく響く夕暮れとなった。
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