第13話

2人…?同じ顔でおなじ存在が、ドッペルゲンガー大丈夫か?

「「「「「えっ?」」」」」

「えっ?」

感動するはずなのに、何故かシュールに。

さすがに空気が…。

「ど、どっち、が私の「俺の」娘?」

泣いて喜びたい、今すぐにでも抱きしめたい、そう思えば思うほどに考えてしまう。

本物はどっちだ?

両者ともに偽物であるはずは無いのだが、けれど親や、兄弟姉妹からしてみればそこにという区別が生まれてしまうのは当然と言えば当然だった。

故に空気が迷い始める。

「私はミアです」

「わたしがミアだよ!」

主張の差で何とかどちらがどちら、は解決した、が

再会を喜び感動に咽び泣くには空気が乾きすぎた。

「無事でよかった…」

それでも母は泣く。どうやらそういうようにできているらしい。

感動の再会を行えたところで次の話題へ。

概念が存在に変わった方のミアを一体どうしよう、と。

「わたしのことを還してくれて、返してくれてありがとう!でもそれであなたがいなくなっちゃうのはいやだからいてほしいな!」

という願いと

「新しく名前を付けたら別の存在としてここにいれるのでは?」

という物は試しだ!と言わんばかりの脳筋プレイ。

「じゃあ今日からあなたはミアじゃなくてミラ、ね!」

名前の付け替え、大して曖昧な作業で何が変わるのだろうと思ったミラだがそれはそれで喜んだ。

「曖昧で人から借りるだけのわたしが私としての名前、貰っちゃった…!」

ホクホクと嬉しそうに微笑む

しかしそれで解決したのだから本人が嬉しそうならいいじゃないか、と見ている人からしたら雑な纏め方ではあるがどこかの世界にこんな言葉があるらしい。

「幸せなら全てよし、と。」


「じゃあかえろう、ミラ!」

手を差し伸べるミア

「えっ、でも…」

突然の誘いだが、それが当たり前であると言わんばかりに言われたことで困惑が止まらずその場でモジモジと足踏むばかり。

「帰るって、なに?なぜ私も?どこに?」

「一緒に暮らすってこと、家族だから!お家に、ね」

三拍子の疑問に三拍子で答えが返える

「いや、家ないぞ今」

父親の冷静なツッコミ

「でも一緒には暮らせるわ、家を作るところから始めましょう?」

暖かな母親の優しさ

「「家族になるの?お姉ちゃん?それとも妹?」」

嬉しそうなカナとルナ

「…………」

嬉し恥ずかしタカ

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