第22話
未熟者だ、なぜ?と聞かれて言葉につまる時点でダメなのかもしれない。悔しいね…
とにかくダメなものはダメ、これでは誰も納得しない。けれど弱肉強食の世の中で正しさがなければそれを好き勝手に振りかざす悪になる。それは看過できない。
素直にそう言ったらわかってくれるかね…
「ダメだった?私のしたこと」
ハッとした、さっきから話しかけられているのに無視をしてばかりで何も答えてはいない。
「そんなことはなさね、けれど命を奪うからには感謝の心を示さなきゃならない。いたずらに殺したり傷をつけちゃあいけないよ」
精一杯の回答がこれだった、話を少しずらして違うことを言っているが合っていそうなことを言う。
答えを持たぬ今、それ以外にできることがなかった。
「うん、わかった。でも感謝って何?」
ひとまず納得してくれたことに安堵した。けれどその後来る質問もまた当然来るだろうと予測のできたものだ。
「簡単さね、ありがとう、その一言が感謝。自分の命のために他からいただく。命の贈り物を貰う、だから感謝しなければいけないんだよ」
果たしてこれでいいのだろうか、こんな不完全で分かりにくくて、正しいかどうかすらあやふや。
人に聞かれているのにこれでいいのだろうか。
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