第19話

拠点が決まった。

ミラが家を建てた。[完]


「わーい!新しい家だー!」

颯爽と中に入り込んで駆け回るミア。

人外の御業を目にしてあんぐりするルイとツネ。

「僕もできるかな…?どうやったんだろう…触ったら無くなっちゃわないかな…」

冷静に興奮するタカ。

「「おー、すごーい、これどうやるの?」」

ルナとカナは質問攻めを始めるところだった。

人間の家が何たるかを調べて実物を見ていたのでそれをそのままアウトプットした。3Dプリンターさながらだ、もちろん耐久性はバッチリだ。そして無駄に木を切り倒したり慣らしたりする必要もなし、一家に一人破壊と創造の概念の時代だ。

「これ、おかしかった?」

あんぐり夫婦に不安げに訪ねる。

「いや、おかしくはないよ。とても立派だ、我々が暮らすには勿体ないくらいにね。大丈夫びっくりしただけだよ。ミラ、ありがとうね」

「喜んでくれてありがとう、嬉しい」

気に入ってくれたことが余程嬉しかったのだろう、随分とにこにこしている。

「すごいもんだねこりゃ、外は立派だよ。ちょっと中を見てくるとするよ、ありがとうねえ」

自分のした事は間違っていないと確実にわかった。本人にとっては造作もないことだけれども、それを褒められるということは格別に嬉しいことだと、誰かのための行動はそういうものだと学んだ。

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