血族の憂鬱
さかた けん
第1話 プロローグ
部屋のなかは静まり返っていた。時間を確認するとすでに
一晩中看病をしていた
―このひとが父親の末の妹―
白黒映画に登場するような丸みを帯びた黒い車を背に、
―愚かなことを……―
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