♪41

 もしもの話だ。もしも、この先もずっと桜花と一緒にいることになったら、俺はどうなってたんだろう?


 俺は決して勘違いしたりしない。そもそも、桜花が俺の事なんか好きになる訳がないんだから。もしも好きになってたんなら、槍が降ってもおかしくないぞ。


 俺からこんな話をするのもなんだが、桜花は色々危なかった。幼馴染は男女の垣根が消えていくと聞いたことがあるが、それにしても、本当になんの壁も作らずに接してきて、接触してきてだから、俺は悶々としていた。


 しかも、それをシラフでしているってのも問題だ。熱やったりなら冗談として認識できるけど、シラフだから、どこまでが本当でどこまでが冗談かの見極めがつかない。しかも、本当のことを冗談として捉えていたら、桜花はすぐに拗ねるしな。あのときはめんどくさかったわ。


 俺たちはずっと幼馴染のままで、それでよかったはずだ。


『変わらない関係に終止符を

 打とうとすればどうなってたんだろう?

 大抵の人は間違いを繰り返すから

 くだらない冗談はやめにして

 ホントを話せば良かったと

 今になって思う


 辛かったね 悲しかったね

 そんな同情はいらないから

 君と 君という存在を

 また僕の前に持ってきて


 ありえないことばかりさ

 0.2%の不幸な奇跡なんて望んでなかった

 知りたいことばかりさ

 なんで君なんだと言うこととか

 知ってどうすんだろ?

 ただ僕は君と時間を紡ぎたかっただけなのに



 終わらない旅路に終止符を

 打とうとすればどうなってたんだろう?

 大抵の人は正解を見誤ってるから

 分からないことばかりなんだ

 今朝見ていた夢のことも

 君のことも


 可哀想って 可哀想って

 そんな同情は嫌いだから

 君と 君という存在と

 また秒針を進めよう


 ありえないことじゃないさ

 80億分の1の奇跡がほら 起きてるんだから

 望んでいなかった

 奇跡なんて起きなくていいから

 もしも起こったなら

 そのときは諦めることができそうにないや

 泣きながら笑おう

 I will cry…

 I will cry…

 I will cry…

 I will cry…』

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る